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舞台化決定の『アクタージュ』、実写化における「天才女優の演技を表現する」というハードル

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『週刊少年ジャンプ』で連載中の人気漫画『アクタージュ』の舞台化が決定した。

 

本作が企画として面白い部分は既存の女優を主人公にキャスティングにするのではなく、リモートオーディションによる一般公募で決めるという部分だ。本作の主人公・夜凪景もオーディションによって発掘されて、女優としての人生が始まった。そのため「もしかしたらこのオーディションによって、リアル夜凪景が誕生するのでは!?」という原作に重ねたワクワクも感じられる企画だと思う。

 

 

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この舞台が成功したら、同じ女優を起用してテレビドラマ化または実写映画化されるという可能性もあるのではないかと個人的には感じる。一方で本作の主人公は「演技に異常な没入を見せる天才女優」という設定。実写化された場合、漫画と違って女優が「天才女優の演技」を演じなくてはならない。そしてこれが意外とハードルが高い。2018年に公開された人気漫画の実写映画化作品『累』も本作と同じ天才タイプの女優が主人公の物語だったが、最初に主人公が「卓越した演技力を発揮するシーン」は「うーん…」という感じが否めなかった。誤解がないように書いておくと、本作は原作の4巻冒頭までのエピソードをベースに映画用の「累とニナの物語」に上手く再構築することで、クライマックスで原作とは異なる映画ならではのカタルシスを生み出すことに成功し、ラストの演技はとても見応えのあるモノになっていた。ただ掴みの部分で天才設定を知っている視聴者に「この人の演技は天才だ」と思わせるのは中々難しい。演劇の場合はテレビドラマや実写映画などの映像メディアと違って演出にも限界があるだろうから、どの程度の演技力を持つ女優がキャスティングされるか、今から楽しみでもあり不安でもある。

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  • 発売日: 2018/09/07
  • メディア:
 

 

 

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ちなみに「演技」と並んで「天才描写」の難しいとされるジャンルが「音楽」で、例えば世界の著名なミュージシャンも一聴でうならせる才能を持つヴォーカルが主人公の漫画『BECK』が実写映画化された際には、主人公が歌い始めると音声がなくなり、その歌声に感動する人たちが映し出されるというトリッキーな演出が行われた。これはその歌声を聴いている人の反応を見せることで、その歌声が如何に優れているかを観客に想像してもらうという狙いがあるが、音楽映画の主人公の歌が聴こえないということで賛否は大きく割れ、否定派からは「カラオケ映画」と揶揄されたりもした。

 

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一方で「音楽」の場合は、天才的なピアノの才能がある女性が主人公の漫画を実写化した『のだめカンタービレ』のように主演女優がピアノを弾いてる映像の上にプロのピアニストの演奏を被せる「吹き替え」という手段を使うというケースもある。現在話題沸騰中の『M 愛すべき人がいて』でもブレイク後の歌唱シーンでは浜崎あゆみの歌に合わせて主演女優がが口パクで歌うという演出がなされていた。そのため「音楽」は「吹き替え」という手段が使えるが、「演技」で「吹き替え」を使うというのは難しそうな気がする。

 

 

ただ改めて実写映画版『累』は最初のオーディションシーンこそ「うーん…」と苦い顔をさせられたが、クライマックスシーンに限っては「物語の構成」「演出」「役者の演技力」で「卓越した演技」というハードルの高い設定をクリアしていたように感じた。そのため『アクタージュ』はどういう演出が施されるのか、それとも本物の天才を発掘してしまうのか、はたまた「うーん…」となってしまうのか、それとも「全然ダメ」なのか… 今後の展開にも注目していきたい。

 

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  • 参考文献

映画『のだめカンタービレ最終楽章』にピアニストのラン・ランが参加!|ソニーミュージックグループ コーポレートサイト

古市憲寿、『M 愛すべき人がいて』ブレイク後のアユの歌唱シーンを大絶賛「叩かれてたけど、口パクのほうがいい」 | ABEMA TIMES

 

 

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