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映画の世界だからこその「ハッピーエンド」/『今夜、ロマンス劇場で』感想

今夜、ロマンス劇場で

『今夜、ロマンス劇場で』のネタバレ

フジテレビ『土曜プレミアム』で地上波初放送された綾瀬はるか主演『今夜、ロマンス劇場で』を観た。

 

 

ストーリーはモノクロ映画から飛び出してきた美幸が映画監督志望の健司と恋をするという内容。本作は入院している老後の健司が、自身の若い頃に執筆した未完成の脚本を看護師に読み聞かせるというスタイルで、物語が描かれている。主人公である美幸は「人のぬくもりに触れると消えてしまう」という設定だ。冒頭で看護師によって「あのおじいちゃんの孫は毎日お見舞いに来てるけど、散歩中におじいちゃんが転んでも手を貸してあげないで見てるだけのヒドい孫だ」というような説明がされている。これは「健司と美幸は長年触れ合うことなく愛を深めていた」「長い年月が経ったことで健司はおじいちゃんになったけど、映画から出てきた美幸は歳を取らずに見た目が若いままだった」ということの伏線のセリフだったんだけど、この事実が明かされた後に流れる「病院内で車椅子が転げ落ちた健司に手を貸すことができない美幸への周囲からの冷たい視線と、それでも2人はこの距離感で確かな愛を築いてきたという描写」、そして「2人が触れ合わずに育んできた愛の回想シーン」「危篤状態となった健司にかけより、初めて愛する人に触れることで消えていく美幸」と感動シーンの鶴瓶うちで、「ベタだな…」とか「綾瀬はるかの走るフォームがカッコ良すぎて何だかシュールだな…」とか「なんで、危篤状態で呼ばれたのに医者や看護師が立ち会ってないんだ?」とか色々と感じながらも、とにかく涙の止まらないシーンとなっていた。

 

 

死ぬ直前、健司が書き上げた脚本は若い頃の彼が映画の中に入って彼女と永遠に幸せに暮らしたというほっぺが落ちそうになる程甘ったるいハッピーエンドが描かれている。しかしこのハッピーエンドは健司が美幸とした約束だ。健司と美幸は現実世界では最後のひと時を除き、お互い触れ合うことすらできなかった。でも健司の書いた脚本の中の健司と美幸は好きなだけお互いに触れ合うことができる。モノクロだった世界は色のついたカラフルな世界に変わっていた。

 

 

映画というメディアは社会への問題提起をする役割を背負っているとされる。そしてそういう映画の方が社会的な評価は高い。ただ一方で、偶には現実世界では叶うことのないファンタジーに浸る映画体験も悪くないのではないかと感じた。

 

今夜、ロマンス劇場で

今夜、ロマンス劇場で

  • 発売日: 2018/08/17
  • メディア: Prime Video
 

 

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