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観ている事実が「黒歴史」になりそうだから「ソーシャルディスタンス」を取っておきたい『M 愛すべき人がいて』

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昨年出版されて話題となった歌姫・浜崎あゆみ誕生に秘められたエイベックス株式会社代表取締役会長CEO・松浦勝人との出会いと別れを描いた「事実に基にした」フィクション小説をテレビドラマ化した『M 愛すべき人がいて』を観た。

 

自分は本作を見逃していたが、SNSを中心に話題を呼んでいることから、ABEMAビデオの独占見逃し配信で視聴してみた。観た感想は「面白いには、面白いが、何となく世間のムーブメントに乗せられている感もあるし、後々観ていた事実が黒歴史化しそうだな…」「何となく、精神的な『ソーシャルディスタンス』を取っておきたい」と感じるタイプの作品だった。何というか、まんまと製作者側の意図に釣られた感が半端ないのだ。

 

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本作は1話目の冒頭から「低クオリティのCGで再現された2001年の渋谷」というドラック映像みたいなシーンから始まる。この時点で「狙っている感」が凄いのだが、本作が更に凄いのはアユ役の安斉かれんさんの演技で物凄く棒読みな上に、定期的に挿入される「歌姫になった後のアユの歌唱シーン」では口パクで上から浜崎あゆみ本人の歌声を被せるという、何とも言えない演出が施されている。

 

 

他にも謎の眼帯をつけた田中みな実の「許さなあーーーーーーーーあーーーーーーーーーああいっ!」を筆頭に、「外国人役のエキストラがテレビドラマではなく再現VTRレベルの役者」「靴の中に画鋲を入れられるイジメ」「風呂場のタイルを石鹸で滑りやすくさせることで、アユを怪我をさせようとするライバル」「雨の中、崖の上に急に登場したマサにハッパをかけられることで、肩を脱臼していたアユが10本入りのペットボトルを背負った長距離走で逆転トップゴール」などSNSで「ベタ過ぎ」「ショボい」「あり得ない」みたいに話題にして欲しいという、製作側の意図がちょっと見えすぎているような気がしてしまう。そういう目線で見始めてしまうと、「オレは神様なんかじゃねーよ。けどな、神様からのメッセージは届く」とか「オレのところで歌手になれ!オレがお前を選んだじゃない!神様がお前を選んだんだ!」みたいな場面も初めから名シーンを作ろうとしているというよりは、敢えてクサイセリフ回しを使うことで最初から「ネタにして欲しい」という狙いを持って作られているのではないかという捻くれた見方をしてしまう。

 

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そのため3話目にあるアユがライバルという名の格下にされたノートに書いていた歌詞を笑われた挙句バラバラに破られてトイレに捨てる宣言をされるとか、頭からジュースを被せられるみたいな嫌がらせを受けた悔しさを、歌詞にして昇華させるというこれ以上にない盛り上がりのシーンで、カラオケで流れる映像の上にダサい文字テロップを挿入されているみたいな、何かこう外した感じになっていて、製作者側の事実はどうあれ、個人的には「狙ってる」ように見えて、結構萎えてしまったという感じだ。

 

 

ただ「あまりにも狙い過ぎだな…」と感じたので、脚本を担当している鈴木おさむさんのインタビューを読んでみると以下の通り。

 

もし自分がドラマ化するならと考えたのが、ある意味思いっきりフィクションにも見えるように「大映ドラマのようなテイスト」を入れたい

4話以降復活したら、その展開に「えーーーーーーー?」と「ツッコ見」していただきたい

まるで令和の大映ドラマ!「M 愛すべき人がいて」鈴木おさむが脚本の狙いを明かす (1/2) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

 

「ツッコ見」という聞いたこともない造語からも明らかなように、意図を持っての演出だったようだ。確かに本作はそういう視点で見れば成功だろうし、公式ホームページにある『ケータイでA VICTORYの公式サイトをチェック!』では浜崎あゆみ世代、つまりガラケー世代を意識したような仕掛けが施されていて、ドラマ外の部分でも話題になるようなネタが仕込まれていると言える。

 

だから「狙いを持って作られたモノ」に対して、「狙い過ぎ」と指摘するのは野暮な話だ。本作では以下のようなやり取りが存在する。

 

マサ「お前は虹を渡りたいんだろ!だったらオレがその虹作ってやる!オレの作った虹を渡れ!」

アユ「渡る!アユその虹渡る!」

 

そしてその直後に、雨など一切降っていなかった夜空に虹がかかる、というよりは生える。本作の楽しみ方は鈴木おさむが作った虹の上を渡る、すなわち鈴木おさむの脚本を狙い通り「ツッコ見」しながら、観るのが正解ということなのだろう。

 

 

ただ観たら良くも悪くも語りたくなるドラマだと思うので、鈴木おさむの手のひらで踊ってもいいという人にはオススメだ。というか、自分は『100ワニ』同様「黒歴史」化が確実視されている本作が気になって仕方なくなっており、事実上ハマっている感じになってしまっているのが悔しいばかりだ。ただやっぱり養殖っぽさが半端ないからなのか、作品にノリきれていないのも事実である。

 

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