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新型コロナウイルスで再注目される映画『感染列島』が描いた「医療崩壊」と「埋葬できない死体」

先日、当ブログでは新型コロナウイルス感染拡大の影響から再注目された映画『感染列島』を「駄作」とする感想エントリーを書いた。今回は近日の報道内容も踏まえて、「医療崩壊」などにフォーカスを当てて本作を紹介したい。

 

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本作で描かれる「医療崩壊」のシーンは残酷だ。劇中では感染者数が病院のキャパシティを上回り、呼吸器が足りない状況に陥る。その場合、医者はガイドラインに従って少しでも生存確率が高い方を優先しなければならない。つまり呼吸器をつけることでギリギリ生存している患者から、呼吸器を取らなければならない。当然、呼吸器を取られた患者はその場で絶命する。しかし「医療崩壊」が起きた現場で、少しでも多くの命を救うためにやむを得ないことだ。本作でもWHOメディカルオフィサーが「助けられる命だけでも助ける」と他の医師がやりたがらない汚れ役を自ら買って、次々と老い先が短い患者の呼吸器を外していく。その結果、彼女に呼吸器を外された患者は次々と亡くなっていき、治療室の彼方此方で心電図モニターの「ピー」という音が虚しく響き渡る。ただ本シーンがより残酷なのは、呼吸器をつけて貰えた患者も助からなかったことだ。おそらく医療現場でこのようなことは「仕方がないこと」だと割り切らなくてはならないのだろうが、あまりにもやり切れないシーンだった。

 

 

そして新型コロナウイルスの感染者数は増え続けている現実の日本でも、映画の中で描かれたようなことがいつ起きてもおかしくない状況だという。日本は事実上「国民の6〜7割が新型コロナに感染して免疫を獲得することで、新型コロナに感染していない国民を守ってくれる」という考え方の「集団免疫」を得る作戦に出ている。つまり余程奇跡的なことが起きない限り、国民の6〜7割が感染しない限り新型コロナは終息しないのだ。例えるなら今の日本に住むすべての人たちは3発中2発弾が入ったロシアンルーレットに強制参加させられ、全員を引き金を引くまでゲームが終わらない状況だ。このやり方を批判する者も多いが、政府も国民も「家で引きこもる作戦」を本気で実行する気がないのだから仕方ない。

 

だからといって国民の6〜7割が一気に新型コロナに感染すると病院のキャパシティを大きく上回り、映画と同じことが起きる。助けられる命も助けられなくなる。そのため感染者数を緩やかなペースで6〜7割に達成させることで「集団免疫」を得ることが大切になってくる。だから「今更やっても遅い」ではなく、この自粛ムードはスタートしたばかりだという認識を持たなくてはならない。そして「自分が感染するとは思わない」ではなく、ある程度感染することを前提に生きていかなくてはならない状況にきている。専門家によると「医療崩壊」を招かず「集団免疫」を得るには1年以上の時間がかかるという。ただそれも上手くいった場合で、あっという間にオーバーシュートして多大な犠牲者を出して終息という可能性もあり得なくない。そうならないためには政府も国民もより危機感を高めていく必要がある。

 

 

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また劇中では死者が多すぎて、埋葬できない状況に陥った日本の様子も描かれている。先日志村けんさんが亡くなった際に、感染拡大防止の観点から遺族との対面なく直ぐに火葬されてしまったことが話題となった。ただ最悪の場合、「火葬すらできず、死体袋に入れられて放置」という状況も起こりかねない。個人的には「流石にこんな状況にはならないだろ…」という本音もあるが、3月の頭を振り返ると3月13日公開予定だった『2分の1の魔法』の公開延期と一緒に4月17日に公開予定だった『ムーラン』も公開延期となったときは「いや、4月の公開映画まで延期とは気が早いな」と苦笑いしてた。ただ今考えれば、妥当な判断だったと思えるし、そのディズニーですら『ムーラン』の新たな公開日だった5月22日を更に公開延期にしていることから「読みが甘い判断だった」ということになるのだろう。

 

 

今感染している人たちも3月中旬に「なんとなく大丈夫だろう」という気持ちで飲み会やパーティー、海外旅行などをした結果、入院という想定外の事態に陥っているのだと思う。そしてまだ感染していない人も、何らかの形で日常が歪められている。ゴールデンウィークを迎えた時に「正直、4月の頭は新型コロナをなめてた」とならないような行動を心がけなくてはならない。

 

感染列島

感染列島

  • 発売日: 2017/06/16
  • メディア: Prime Video
 

 

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