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映画観賞後に「濃厚接触」しそうなカップルが多い劇場で『仮面病棟』を観たら、また「××案件」だった

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木村ひさし監督最新作『仮面病棟』を観た。現役医師で作家の知念実希人によるベストセラー小説を、坂口健太郎と永野芽郁の共演で映画化した作品。新型コロナウイルスの影響で興行的にあまり振るっていないという話だが、自分が観た回は中箱ではあったが若者中心に結構埋まっていたので驚いた。客層は高校生くらいの男子グループや制服姿の女子高生、映画鑑賞後には「濃厚接触」しそうなカップルも多かった。上映が始まってからも何人か遅れて入場してくるなど、客層はかなりライトな感じだった。こんなに賑やかな映画鑑賞は昨年12月に観た同じく木村ひさし監督作品『屍人荘の殺人』以来かもしれない。

 

 

以下ネタバレ注意

 

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ここからは映画のネタバレ込みでの感想。予告編を初めて観たときは「何か凄く安っぽい画面で、テレビのスペシャルドラマみたいだな…」とも感じたが、実際に観てみるとそこまで気にならなかった。ストーリーは坂口健太郎演じる医者が先輩の代わりに入った当直医のバイト先の病院にコンビニ強盗をしたピエロのお面を被った男と彼の拳銃でお腹を撃たれて血が出ている女子大生がやってきて、監禁されてしまうという内容。本作はこの手の実写邦画にありがちなツッコミ所満載の演出も多い。例えば「妹の近くで姉の臓器移植に失敗した反省会をするなよ!」とか「記者会見であんな風に叫び始めたら、事情を知らない世間からは完全におかしい奴扱いされるだろ!」とか書き始めたらキリがない。しかし角度によって様々な表情に見える不気味さを醸し出した左右非対称のピエロの仮面を被った男は常に落ち着かない様子で、いつブチギレ始めるか分からないという緊張感があったし、ピエロの仮面の男の目的や病院に隠された秘密など、いくつもの謎が張り巡らされているので、飽きることなく最後まで楽しめた。新型コロナウイルスの影響がなければ、興行収入10億円を超えるヒット作品になっていたのではないかと感じる。

 

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また本作の化粧ケバめで女王様気質の永野芽郁は魅惑的だった。今まで永野芽郁は『半分、青い』の鈴愛役のインパクトが強すぎて、「他の役を演じていても鈴愛に見えてしまう症候群」に陥っていたのだが、本作では全然違う人物に見えた。正直「あなたは既に騙されている!」みたいCMを観ていたので、物語の展開には全然驚きを感じなかったが、永野芽郁の変装前と変装後の変わり様に心底驚かされた。やはり人は髪型や化粧でイメージが大きく変わるのだなとも思った。

 

 

以下『カイジ ファイナルゲーム』『AI崩壊』のネタバレ

 

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それにしても今年になってから「弱者切り捨て」をテーマにした実写邦画を観たのは3本目だ。『カイジ ファイナルゲーム』では福士蒼汰が「働かざるもの食うべからず!死んでいただいてけっこう!」「弱者を切り捨てないと日本は滅んでしまう!」と怒鳴り散らしていたし、『AI崩壊』の岩田剛典も「命を選別することで日本が救われる」と説いていた。そして本作でも高嶋政伸が「必要な命と必要でない命を分けないと、この国は回らなくなってしまう!」と目を見開きながら興奮気味に捲し立てている。そしてこの3本に共通するのは、この「弱者切り捨て」には裏で総理大臣(本作は元総理大臣で再び出馬表明)が関与しているという設定。この短期間で同じテーマの作品が連続で公開されたというのは、やはり「上級国民問題」や「現政権絡みの疑惑や経済政策に対する不満」などを反映させた結果ということことなのだろうか…

映画は「社会を映す鏡」だという。同日に観た『ハーレイ・クイン』は最近のハリウッド大作に多い、フェミニズムを前面に押し出す内容だった。「最近似たようなテーマの映画ばかり観るな」と感じたときは、それが「現代社会の問題」だと捉える人が多いということを表している。つまり『カイジ ファイナルゲーム』『AI崩壊』『仮面病棟』のテーマが被ったことは、それだけ「この3作品で描かれたテーマ」を問題視する人が多いということなのだ。

 

 

最後に木村ひさし監督のクレジットは大抵、姓と名の間にスマイルマークを入れている。でも今回の作品ではなかった。スマイルマークを入れるのをやめたのかとも思ったが、どうやら2013年の『金田一少年の事件簿』でも入ったなかったようだ。スマイルマークを入れる作品と入れない作品の基準が気になったが、本人もTwitterで「何故!?」と疑問視しているし深い理由はないのだろう。

 

仮面病棟 (実業之日本社文庫)

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仮面病棟 愛蔵版

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