「映画へのコンプレックス」感じた『ファイナルファンタジー』

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今年は国民的RPGを映画化した『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』が公開されたので、このタイミングで同じく国民的RPGにして『ドラクエ』シリーズと比較されることも多い『ファイナルファンタジー』の映画を振り返りたいと思う。

 

  • 作品解説

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映画『ファイナルファンタジー』はシリーズ生みの親である坂口博信氏が監督・製作をつとめた世界初のフル3DCGによるSF映画で2001年に公開された。『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』と異なりナンバリングタイトルをベースとする作品ではなく、完全オリジナル作品となっている。製作費1.37億ドルを費やした超大作だったが、世界興行は8513万ドルと「史上最も失敗した映画」としてギネス記録に載るほど大コケした。最終的な赤字額は5190万ドルとされている。

 

 

  • 映画へのコンプレックス

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『ファイナルファンタジー』シリーズは映画へのコンプレックスが強いイメージがある。個人的には文化的に「映画とゲーム、どちらが上か?」などという議論は意味をなさないと思っているタイプだが、世間的には「映画 > ゲーム」という価値観が少なからずあり、「ゲームは映画のようなストーリーの評価のされ方をしない」という複雑な想いがあったのではないかと感じる。またムービー量が多くなり「ムービーゲー」と揶揄され、「ゲームでなくて映画でやれ!」という指摘も映画へのコンプレックスを刺激したのではないかと思う。

 

 

  • 『FF7』の前年に公開された『トイ・ストーリー』

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また映画へのコンプレックスはグラフィック面においても現れていたように思う。何故なら本作を作る動機は『ファイナルファンタジーⅦ』におけるフルCGムービーのレベルの低さに失望したことがキッカケだというからだ。『ファイナルファンタジーⅦ』の発売年は1997年だが、その前年である1996年にピクサーは世界初のフルCGアニメ映画『トイ・ストーリー』を日本公開している。『トイ・ストーリー』のCGを観た翌年に『ファイナルファンタジーⅦ』のフルCGムービーを観せられれば、その差は歴然。そのためグラフィック面においても「映画に勝てない」というコンプレックスがあったのだと推測される。

 

 

  • 「『ファイナルファンタジー』らしさ」とは…

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『ファイナルファンタジー』の映画はストーリー面とグラフィック面における映画へのコンプレックスから生まれた作品なのではないかと感じる。一方で公開された映画を鑑賞した客は「コレはFFなのか?」という戸惑いを感じる人も少なくなかったという。何故なら多くの人が想像する「クリスタルを中心としたファンタジー世界」や「機械文明と魔法が入り混じるスチームパンク風の世界」などの「FFらしさ」が映画からは全くといっていいほど感じられないからだ。ただ『ファイナルファンタジー』はナンバリングタイトルごとに別々の世界観を持つ単独の作品となっており、シリーズを重ねるごとにナンバリングごとの統一性が失われていった。そして映画の製作期間は『ファイナルファンタジー』とは「その時の最新技術で作った一番スゴイゲーム」という新定義が唱えられた時期と重なり、映画も「当時の最新技術で作ったスゴイ映画」を目指したと考えれば良い意味で『ファイナルファンタジー』らしい映画なのかもしれない。ただ「映像がスゴイだけでストーリーはつまらない」「大作感を出そうとした結果まとめきれなかった」などの背景から悪い意味でも『ファイナルファンタジー』らしい映画になってしまっているのは残念だ。

 

  • 最後に…

『ドラクエ』も『FF』も、両作品とも「『ドラクエ』らしい」「『FF』らしい」映画になっている。

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