三谷幸喜監督作品『記憶にございません!』が大ヒットも、『ギャラクシー街道』が「記憶なし」状態へ

ギャラクシー街道 DVD スタンダード・エディション

三谷幸喜監督最新作『記憶にございません!』が全国352スクリーンで封切られ、オープニング4日間で8億1900万円、公開6日間で興行収入10億円を突破する大ヒットになっている。東宝の発表によると最終興行30億円以上が見込まれているという。

 

ステキな金縛り

清須会議

製作のフジテレビはタイアップ放送として三谷幸喜監督作品『ステキな金縛り』と『清須会議』を2週連続『土曜プレミアム』で放送。スタジオジブリ作品と同じく、定期的に地上波放送されることで一般人の認知度は常に高い状態を維持して、見事に「三谷幸喜ブランド」を確立している。きっと暫く三谷幸喜作品から離れていた人も、今回の放送をキッカケに最新作を観に劇場に足を運んだ人も少なくないはずだ。

 

ただ最新作の地上波タイアップ放送で話題になったのが、三谷幸喜監督の前作『ギャラクシー街道』が公開から4年経ったにも関わらず未だ地上波放送がされておらず、今回のタイアップでも放送予定に組み込まれていないこと。三谷幸喜監督作品が興行的に大ヒットを記録するようになった『THE 有頂天ホテル』以降の作品は次回作が公開される前に前作が地上波放送されているが、『ギャラクシー街道』は何故か放送されていない。

 

 

考えられる放送されない理由は以下の3点だ。

 

  • 興行的に振るっていない

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1つ目の理由は『ギャラクシー街道』が三谷幸喜監督作品としては興行的に振るっていないという事実。近年の三谷幸喜監督作品の興行収入は『THE 有頂天ホテル』が興行収入60.8億円、『ザ・マジックアワー』が興行収入39.2億円、『ステキな金縛り』が興行収入42.8億円、『清須会議』が29.6億円となっている。多くの人は忘れていると思うが、実は興行収入29.6億円の『清須会議』ですら公開当時は「三谷幸喜作品としては微妙な興行」「全国430スクリーンで封切って興行収入30億円に届かないのは期待外れ」という評価がされていた。つまり三谷幸喜作品は興行収入30億円以上でヒットという「高いハードル」があったともいえる。ただし『清須会議』は時代劇と歴代の監督作品と比べるとやや作品のトーンが異なることから、「今回は挑戦作で、次回作でいつものトーンに戻せば興行的には復活する」という意見が大方を占めていた。

しかし『清須会議』の次回作であるスペース・ロマンティック・コメディ『ギャラクシー街道』は興行収入13.2億円と、復活どころか半減以下の数字に急降下した。それでも東宝は全国433スクリーンという日本トップクラスの公開規模で封切ったことから、後に引けないのか公開初日には「最終興行30億円を狙える好スタート」と大本営発表をしていたのだから驚かされる。ただ正直に書けば、公開初日はここまで悪評が立つとは予測してなかったので自分も「三谷作品なら、このオープニングでも案外30億円近くまで伸びる可能性はあるな」とか能天気なことを考えていたことを告白しとく。

 

  • 評判が悪過ぎる

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2つ目の理由は『ギャラクシー街道』は興行的に惨敗しているだけではなく、世間的な評判も悪すぎることだ。三谷幸喜監督はソフト発売時のインタビューで以下のように語っている。

伏線など、いつもだったら緻密に計算して構成する“数式”的なものを一度取っ払って、とにかく筆の赴くままに作りました

映画『ギャラクシー街道』監督・脚本 三谷幸喜インタビュー - TSUTAYA/ツタヤ

つまり多くの三谷ファンが求めていた「三谷脚本によるマジック」が意図的に行われないことで、「脚本的に意味のない単発のギャグが永遠に繰り返される映画」となっている。そのため「三谷マジック」を求めた観客の期待を大きか裏切ることになり悪評が広まってしまった。ただ三谷幸喜監督本人が公開後に悪評をネタにしたのは、流石大御所作家といったところ。

 

  • 元SMAP・香取慎吾が主演

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3つ目の理由は公開当時SMAPで、公開後にジャニーズ事務所を退社した香取慎吾が主演の映画だということ。ただ今回のタイアップ放送『ステキな金縛り』には元SMAPで事務所退社組の草彅剛が重要な役で出演しているし、同じく元SMAPで退社組の稲垣吾郎司会の『本当にあった怖い話』も普通に放送される予定なのであまり関係ない可能性高い。恐らく「興行も評判も悪いし、主演も元SMAPの香取慎吾だからスルーが無難か…」かと放送しない理由の1つには入ってても、それは理由の1つでしかなく主な理由ではないだろう。仮に本作が興行収入30億円以上の大ヒットで評判も良ければ、元SMAPとか関係なく放送した可能性は高いだろう。ただし、仮にSMAPが解散せずに香取慎吾がジャニーズ事務所を退社していなかったら今回のような興行と評判でも普通に放送された可能性もあるのではないかと思う。

 

 

また三谷幸喜監督作品で本作はジャニタレ主演のために唯一ネットでの動画配信が行われておらず、鑑賞への敷居が高くなっていることからも観た人は三谷作品の中ではかなり少ないのではないかと予測される。ちなみに香取慎吾や草彅剛が主演ではないが、需要な役として出演している三谷作品は普通にネットで配信している。

 

個人的に『ギャラクシー街道』は2015年公開作品だから、SMAP解散直前の2016年年末に同じく2015年に公開されたSMAP・木村拓哉主演映画『HERO』とセットで地上波初放送すれば良かったのにと思う。当時フジテレビは『古畑任三郎 VS SMAP』も再放送してたし、 SMAP解散効果で視聴率も望めたかもしれないし、最初で最後の放送タイミングだったのではないかと感じる。やはり最新作のタイアップ放送としては逆効果になる可能性が高く、避けたいというのが本音だろう。

 

 

今後『ギャラクシー街道』の地上波放送が行われるかどうか定かではないが、公開から5年以上経つと数字も見込めないだろうし「放送しない確率」のが高いのではないかと思う。

 

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