『MARVEL』×『少年ジャンプ』コラボ記念 MARVEL編集長へのインタビュー漫画で感じた日本漫画の特徴

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<出典:サクライタケシ/集英社>

『少年ジャンプ+』に掲載されたMARVEL編集長のインタビュールポマンガを読んだけどアメコミと日本の漫画の違いについて説明していたりして凄く面白かった。

 

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<出典:サクライタケシ/集英社>

ただ少し引っかかったのは「アメコミはヒーロー物ばかりのイメージが強いけど、他のジャンルの作品はないのか?」という質問に対してMARVEL編集長が「ヒーロー物と一概に言うけど、色々なジャンルがある」と答える部分。ここばかりは「いやいや、結局全部同じヒーロー物というジャンルマンガじゃん!」と思わずにはいられなかった。ただ昔ラジオで映画評論家の町山智浩さんが「アメコミはヒーロー物が中心で、あとは少し青春漫画と政治漫画があるくらいで色んなジャンルのマンガがあるのは日本くらい」と説明していたのを思い出した。

 

 

このマンガがすごい! 2019

確かに日本の漫画はヒーロー物以外にも、『SLAM DUNK』『テニスの王子様』のようなスポーツ漫画、『金田一少年の事件簿』『名探偵コナン』のようなミステリー漫画、『いちご100%』『ニセコイ』のようなラブコメ漫画、『花より団子』『東京タラレバ娘』のような恋愛漫画、『ボボボーボ・ボーボボ』『斉木楠雄のΨ難』のようなギャグ漫画、『カイジ』『アカギ』のようなギャンブル漫画、『包丁人味平』『食戟のソーマ』のような料理漫画、『クローズ』『ごくせん』のような不良漫画、『デスノート』『僕だけがいない街』のようなサスペンス漫画、『のだめカンタービレ』『BECK』のような音楽漫画、『働きマン』『重版出来』のようなお仕事漫画、『カラダ探し』『食糧人類』のようなホラー漫画、『医龍』『コウノドリ』のような医療漫画、更には『ドラゴン桜』のように大学受験まで漫画化になるレベル。また本屋の漫画コーナーを見れば「就活」「婚活」「妊活」「毒親」「童貞」「倫理」、挙げ句の果てには「引きこもり」や「ニート」「女同士の陰口」までもが漫画になる。何なら「何気ない日常」ですら漫画になってしまっている。ヒーロー物のエッセンスとして使われる要素を主題としてトコトン突き止めていくのが、日本の漫画の面白いところなのだろう。

だからMARVEL編集長のいうように日本の漫画含めてヒーロー物も細かく割れば色々なジャンルの漫画があることにはなるとは思うけど、やっぱり色々なジャンルはそういうことではないと思ってしまう。ただ逆に考えれば、日本の漫画はバラエティに富んでいることが日本の漫画が世界的にも強い理由に繋がっている証なのではないかとも感じる。個人的にはアメコミでもメジャーリーガーを目指す少年の漫画とかイケてない男子がバンドを作ってメジャーデビューを目指す漫画とか作れば良いのにと思うけど、色々と難しいのかなと思う。

 

 

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<出典:サクライタケシ/集英社>

もう1つ気になったのはアメコミは分断作業だけど、日本の漫画は一人で描いているということ。これは昔から知ってたけど、漫画だけじゃなくて映画もハリウッド大作は何人も脚本家雇って執筆するのに対して日本は大作でも一人とか二人が脚本を執筆するスタイルが一般的だから漫画文化や映画文化に関しては改めて日本は個人の能力が重視される国なのかなと思った。

スパイダーマン:ステイシーの悲劇 (MARVEL)

だからアメコミでは分断作業でシナリオが原作者が全く関与しない形で作られることもあるが故に、スパイダーマンのヒロインであるグゥエン・ステイシーが死んだことを原作者のスタン・リーが驚いたみたいなエピソードもあるらしいけど、日本ではそういうことはあり得ない。また「今週は作画が間に合わなそうだから、別の人に作画を任せよう」という発想にもならない。日本では「この作者の話には、この作者の絵がついてこそ」という価値観が形成されているし、一人の作者が最初から最後まで描くというのも含めて自分は日本の漫画の「良い部分」だと感じる。

 

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<出典:サクライタケシ/集英社>

また「アメコミはフルカラー」で「日本はモノクロ」という違いの部分にも触れたい。日本の漫画がモノクロの理由は2つあって、1つは印刷代やインク代の関係。そしてもう1つは日本はカラーだけでも外部業者に委託するみたいな文化は殆どないから純粋に締め切りに間に合わないという理由がある。ただ最近は電子版では外部委託でフルカラー版を出している漫画も少なくないし、ウェブ漫画だとフルカラー連載も珍しくない。

現に『東京タラレバ娘』『偽装不倫』の東村アキコ先生によると日本の漫画がモノクロなのは印刷の関係であってウェブ漫画では日本の漫画もカラーが一般的だとラジオで話していた。

以下その部分の引用。

(ウェブ漫画は)別に白黒でもいいけど、ちょっとは色をつけてっていう感じにしましょうか? まあ、だってね、もう画面なんだからカラーでもいいわけでしょ? 印刷代、インク代もかかんないわけだから。だったらカラーの方が読んでいると、いいでしょ?っていうところで。ちょっとぐらい色をつけようっていうのを推奨したいなって。

東村アキコと宇多丸 スマホ特化型漫画と漫画の未来を語る

いつか「紙の漫画」と「ウェブ漫画」の違いや「漫画は今後どういう方向にいくのだろうか?」みたいなことをまとめるエントリーを書きたいなと思ってる。

 

 

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<出典:サクライタケシ/集英社>

最後に触れたいのはアメコミはタイトル別に発売しているのに対して、日本は複数タイトルをまとめて発売している点。今回のエントリーは日本の漫画ばかりを持ち上げる形になってしまうけど、この点も日本の漫画雑誌は単行本購入だけでは読むことがなかったであろう漫画を偶発的に読むキッカケができるという意味で漫画文化の発展に貢献している部分なのだと思った。

 

今回はルポ漫画の感想を書いたが、『遊戯王』の高橋和希先生の描いたジャンプとMARVEL のコラボ漫画『SECRET REVERSE』も面白かったのでオススメです。

 

  • ルポ漫画

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  • 『SECRET REVERSE』

shonenjumpplus.com

 

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