『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』のメッセージを「拡大解釈」して「被害妄想」に陥っている人達へ

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<注意> 映画『ドラクエ』のネタバレ

賛否割れる山崎貴監督最新作『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』だが、否定意見の中で映画が訴えているメッセージを全く理解せず叩いてる人が一定数いて頭が痛い。

 

本作は国民的RPG『ドラゴンクエストV 天空の花嫁』を山崎貴監督が3DCGアニメ映画化した作品だが、ラスボス戦では映画オリジナルの展開を迎える。それは実は主人公は「VRが進歩した未来の大人」で、「今まで展開されていた冒険は記憶をリセットしてまるで自分が本当にゲームの世界に入ったかのように楽しめる『ドラクエV』のVRリメイク版を主人公がプレイしている映像」だったということが明かされる。

 

 

ここで否定派の意見で「こんな使い古された展開にしないで、純粋に『ドラクエV』の冒険を3DCGアニメ映画して欲しかった」というモノは理解できる。ただ問題は「大人になれとかいうな!」とか「あの家族の絆は偽物だったのか!」とか作品のメッセージ性を全く理解しないで叩いてる人たちだ。

 

確かに映画の中でゲームを乗っ取ろうとするウイルスは大人になってもゲームで楽しんでいる主人公に対して「この世界は最新テクノロジーで作られたニセモノだ」と現実を見せ、「大人になれ」と説いてくる。ただ主人公はその問いに対して「確かにゲームは作り物でニセモノかもしれないけど、ゲームをやっているその時の冒険は本物だったんだ!」と反撃に出る。だからこの映画が伝えたかったのは「ゲームなんて、やってるだけ時間の無駄」「子供ならまだしも大人になってもゲームやってる奴は現実見ろよ」と言ってくる奴らに対して「ゲームを通した経験だった本物の思い出なんだ!」とカウンターを放ってくれる。

 

そしてそれぞれが持つ『ドラクエV』との思い出とリンクさせることで、それぞれがそれぞれの『ユア・ストーリー』を回想して感動できる演出になっている。

 

 

当然この演出に対して「上から目線で気持ち悪い」という否定意見も分かるし、繰り返すように「普通にラスボス戦が観たかった」という否定意見も分かる。また「VRオチ」自体には賛成でも「親子3代のテーマと主人公の現実世界の歩みを関連付ける」とか「主人公がゲームによって得た経験から現実世界を強く生きている」みたいな、ゲームで遊んで通した経験が現実社会にも還元されることで「やっぱりあの冒険は自分の中では本物として生きている」くらいまで描かないとメッセージ性として中途半端に終わっているなどの否定意見も分かる。他にも「『ドラクエV』への思い入れが強い主人公が少年時代編をスキップしたのは脚本の都合が見え隠れして不快」とか「『ドラクエV』との思い出を演出する割に冒頭の演出がスーファミ風ではなくファミコン風だったり、別のナンバリングタイトルの音楽がかかったりファンに対して無神経」などの否定意見も凄く分かる。

 

だから本作に対して「否定意見を抱くな!」とか書くつもりはないし、一本の映画の展開に対して色々な角度からの意見があるのはいいことだと思っている。ただ映画の悪役の問題定義を映画が訴えるメッセージだと「拡大解釈」して「被害妄想」に陥りヒステリックになってる人たちは冷静になって欲しい。

 

 

この映画が伝えるメッセージはあくまでも「あの時の冒険は本物」であり、大人になってゲームをやることを否定しているわけでもない。むしろその逆。ゲームをやることも人生の大事なワンシーンだと肯定しているのだ。

 

<追記>

上述したようにこのメッセージを正しく理解した上で「別にそういうのを求めてた訳ではない」とか「別にこの映画に上から目線で説教されなくても、自分の中ではゲームの世界も本物の思い出だということは分かってる」みたいな否定意見は基本的に肯定派である自分としても凄く良く分かる。ただ映画のメッセージを理解せずに悪役の問題定義を映画のメッセージだと誤解して叩いている人が多かったので、こういうエントリーを書いたことをご理解願いたい。

 

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