日大アメフト悪質タックル宮川泰介選手会見内容の事実誤認/コーチの注意を盛り込んだ2回目の反則説明

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[前提]自分は悪質タックルの監督・コーチの指示の有無の可能性は50:50だと考えています。

もう殆ど誰も興味が無いと思いますが、日大アメフト問題の話です。自分は前々から宮川選手の会見の内容を根拠無く全面的に信用する風潮に異議を覚えていました。そして今回警視庁の捜査結果をキッカケに知人と話す事で彼の会見の内容の決定的な事実誤認を発見したのでここに記しておきます。

 

宮川選手の2回目の反則の説明

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宮川選手の会見内容と現実認識が誤っているのは2回目の反則についての説明です。

本件で問題になっている1プレー目の反則行為の後、2プレー目が終わり、コーチに呼ばれてサイドラインの戻った時に、井上コーチから「キャリア(ボールを持っている選手)に行け」と言われましたが、散々「QBを潰せ」と指示をされていたので、井上コーチの発言の意味が理解できず、再びパスをしてボールを持っていない状態の相手チームのQBにタックルをして倒し、2回目の反則をとられました。

【日大・宮川選手の陳述書全文】「1プレー目からQBを潰せ」追い詰められて苦悩― スポニチ Sponichi Annex スポーツ

アメフトはボールを持っている選手にタックルするスポーツで、ボールを持っていない選手にタックルをするのは反則です。自分は当初から1回目の反則の後にコーチから事実上「反則をするな!」と注意されてるのに意味を理解せず反則タックルしている宮川選手の判断力には疑問を持っていました。しかしこの部分だけで、彼の会見内容を否定するには弱すぎるとも思っていました。ただ実はこの内容は明白に現実とは異なっているのです。

 

 

関東学連の報告書と試合の映像

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宮川選手は1回目の反則の後にコーチに注意をされたと説明しています。ただこの内容は関東学連の報告書の内容と異なります。

2 度目の反則行為は、最初の反則行為が起こったプレーの 2 プレー後に起こっ た。

(中略)

Dコーチはこのとき、A選手を自軍のサイドライン近くまで呼び寄せたが、「キャリア(ボール保持者)に行け!」と指示するだけで、A選手をそのままフィールドに留まらせた。

http://www.kcfa.jp/files/user/info_pdf/kiritsu180603.pdf

関東学連の報告書ではコーチの注意は1回目の反則の後では無く、2回目の反則の後だとしています。

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これは当時の試合映像です。1回目の反則のプレーは動画の4:05で、2回目の反則のプレーは動画の5:51です。

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そしてコーチが宮川選手(91番)をサイドラインに呼び何かを話しているのは動画の6:37と2回目の反則の後で、1回目と2回目の反則の間に宮川選手がサイドラインに向かう姿は確認出来ません。この映像と関東学連の報告書の内容を合わせると宮川選手がコーチから注意を受けたのは1回目の反則の後では無く2回目の反則の後だと考えられ宮川選手は事実を誤認している事が分かります。

 

 

宮川選手は明らかに物語を作っている!

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宮川選手が退場になった3回目の反則は相手との小競り合いで反則タックルではありません。つまり2回目と3回目の反則を間違える事はまずありません。ここでもう一度宮川選手の2回目の反則についての説明を確認してみましょう。

本件で問題になっている1プレー目の反則行為の後、2プレー目が終わり、コーチに呼ばれてサイドラインの戻った時に、井上コーチから「キャリア(ボールを持っている選手)に行け」と言われましたが、散々「QBを潰せ」と指示をされていたので、井上コーチの発言の意味が理解できず、再びパスをしてボールを持っていない状態の相手チームのQBにタックルをして倒し、2回目の反則をとられました。

【日大・宮川選手の陳述書全文】「1プレー目からQBを潰せ」追い詰められて苦悩― スポニチ Sponichi Annex スポーツ

事実と照らし合わせれば宮川選手は明らかに反則の理由を後付けで意図的に作った、もしくは精神的に思い込まれて無意識に物語を後から作ってしまったかの何方かにしか考えられません。何故なら彼は2回目の反則について間違った事実を基に、当時の心境まで説明しているからです。彼は1回目の反則の後にコーチの注意を受けていないので、「散々「QBを潰せ」と指示をされていたので、井上コーチの発言の意味が理解できず」と2回目の反則の前に考える事はあり得ないのです。

もちろん彼は監督・コーチのプレッシャーを感じていたのは事実だと思いますし、試合から会見までの2週間の間はネットで叩かれ、テレビでも特集され精神的にかなり追い込まれていたと考えられます。その為彼を必要以上に責める事はしたく有りません。ただそれと同様に彼の勘違いで監督・コーチが必要以上に責任を取らされるのは違うと思っています。多くの人は選手の会見の内容を信用して、監督・コーチの会見の内容を信用していないようですが、選手の会見は1箇所明らかに事実を誤認している部分があり、その箇所も具体的なエピソードが付け加えられている事を考えると彼の会見の内容の全体の信憑性の是非は理解して頂けると思います。

 

 

井上コーチの主張

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最後に井上コーチの会見での主張を見て欲しいです。

Q.井上コーチは、あのようにタックルする様子は見ていたのですか?

【井上奨コーチ】

はい。僕はディフェンスラインのコーチなので見ていました。

井上コーチは内田監督とは異なり悪質タックルの瞬間を見ていました。そしてその時の状況を以下の様に説明しています。

Q.それを見てどのように思われたのですか?

【井上奨コーチ】

ちょっと、やっぱり…あの1プレー目で、正直向こうにロールが行って、ああいう形っていうことを僕は想定していなかった。ちょっと違うなと、僕の思いとは、と思いました。ただ、そこで彼をベンチに呼び戻すなり、交代させるなりしたらいいと、終わってから考えたんですけれど、正直その時は、彼のその試合で、僕が彼にやらしたかったことは、思いっきりやることなのです。思いっきりやるというか、スタートして、がむしゃらにやって欲しいという気持ちだったので、彼を試合に継続して出すこと、出してあげたいなということしか、僕はその時、考えていませんでした。

<日大悪質タックル問題>内田前監督・井上コーチ会見(前半)全文④ | 【RNO!】Real News On-line!【リア・ニュー!】 | Page 2

井上コーチは自分がその時に何も対処しなかった、つまり1回目の反則の後に宮川選手に注意をしなかったと説明していて、事実と一致しています。ただ井上コーチは説明の仕方が下手だったのに加えて、多くの人が嘘を付いているという前提で見ているので事実を説明しても信用されなかったのです。

 

最後に…

自分はこの問題に付いて他にも思う所は多くあります。ただこのブログの趣旨とは異なるので多くは書かないつもりです。また悪質タックルは監督の指示では無く宮川選手の勘違いだという事が主張したいのではなく、その可能性も十分考えられるという事を主張したいのです。

ただ監督・コーチの指示が本当に無かったとしてもこの件に対する日大の初期対応が残念だったのは事実だと思います。だからと言って「選手は正しくて監督・コーチは嘘付き」という勧善懲悪のレッテルを貼っては真実を見失う可能性があります。