国家と戦うワシントンポストの映画『ペンタゴン・ペーパーズ』の感想

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今回は今年安倍首相が観なさそうな映画ランキング第1位のスティーブン・スピルバーグ監督作品『ペンタゴン・ペーパーズ』の感想です。

 

見る前の期待度

レディ・プレイヤー1(吹替版)

今年スピルバーグは本作とほぼ同時期に『レディ・プレイヤーワン』とエンタメに特化した本作の社会派ドラマとは正反対の作品を公開しています。自分はミーハーなので、『レディプレ』は劇場で観ましたが、本作はスルーしてしまいました。

ジュラシック・パーク (吹替版)

シンドラーのリスト(字幕版)

スピルバーグ監督は1993年にも『ジュラシック・パーク』と『シンドラーのリスト』というエンタメと社会派の正反対の映画を公開して、尚且つ両方面白いという偉業を成し遂げている振り幅の広い監督なので『レディプレ』を楽しめた自分としてはコッチも同じくらい面白かったら良いなと期待を込めて観ました。

 

 

観た後のネタバレ感想

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評価:★★★(5段階)

正直社会派ドラマとして身構えて観始めましたが、想像以上の面白さでした。

 

  • 政府の圧力と戦う新聞社の話

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本作のザックリした物語は政府の機密文書が主人公の勤めるワシントンポストのライバル新聞であるニューヨークタイムズがスクープした。後を追うべくワシントンポストも機密文書の入手に力を入れるが、政府からの圧力で機密文書を掲載するなら逮捕されてしまうリスクが生まれる。それでも報道の自由の為に戦う新聞記者たちの物語といった感じ。それぞれ違う立場の人達が掲載するしないかを議論し、今までお飾りのトップ扱いだった女性が知人への忖度を辞めて報道の自由の観点から掲載する事を決める姿はカッコ良かったです。

 

  • 落ち着かない画面

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今回の作品はカットを割らずに室内を移動する人物を追って撮る演出が多く画面に何処か落ち着きがない。コレは登場人物たちが機密文書を掲載するかどうか悩んだり、イラついたりする平常心を保てない様子を演出しているのではないかなと感じました。

 

  • 新聞の演出

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本作は女性の偉い人が掲載を決めた言葉と共に現場の士気が上がり仕事に取り組んでいく姿もカッコいいんだけど、新聞を印刷する為の班の用意のシーンや印刷していくシーン、新聞が配達トラックで運ばれて水溜りの中に落ちるシーンやニューヨークタイムズを雪辱の表情で見るシーンなど細かい演出が良かったです。

 

  • 冒頭とラストの別の映画感

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本作は冒頭でベトナム戦争の様子が描かれるが、予告編からは想像もつかないタッチの映像とムードの音楽で一瞬社会派ドラマを観始めた事を忘れ、リュック・ベッソン脚本のB級大味戦争映画を観ているのかと勘違いしてしまい程だ。またクライマックスのウォーターゲートのオチも急に『未知との遭遇』や『E.T.』などのSFジュブナイルのような雰囲気の演出になりまるで警備員が宇宙人でも見つけたかのような『レイダース』のオチっぽさで終わりコレには正直驚いた。

 

(C)Twentieth Century Fox Film Corporation and Storyteller Distribution Co., LLC.

 

 

最後に…

『レディ・プレイヤー1』が面白かった人は同じ年に同じ監督の真逆の作品を観る意味でオススメです。