フジテレビの月9枠で放送された織田裕二主演『SUITS/スーツ』が初回視聴率14.2%の好スタートを切った。
放送前の不安
ここしばらくの間月9は視聴率的に低迷続きで、2クール前の『コンフィデンスマンJP』はオリジナルドラマとして視聴者からの満足度は高かったにも関わらず最高視聴率9.5%と視聴率二桁に到達する事は出来なかった。しかし1クール前の『絶対零度』は平均視聴率10.6%と『コード・ブルー』のシーズン3以降1年振りの平均視聴率二桁を獲得して、ギリギリの所ではあるがブランド力の維持に成功した。
ただ昨年も7-9月クールの『コード・ブルー』が平均視聴率14.6%の高視聴率を獲得した次のクールで、フジテレビ色が強いスター女優・篠原涼子を主演に迎えた『民衆の敵』が平均視聴率6.7%の記録的大敗となった。最終回に至っては視聴率4.6%と最低視聴率を記録してフジテレビ内はお通夜状態だという報道も出た。確かに当時のフジテレビは『めちゃイケ』『みなさん』の長寿バラエティの3月終了が発表されても一向に視聴率が伸び悩むなど悩みのタネは多かったのだろう。
少し話は逸れたが人気シリーズ最新作が高視聴率を記録した次のクールでフジテレビ色の強いスター俳優が主演の新ドラマがスタートするという図式は、細かい状況の違いこそあれ1年前の『コード・ブルー』から『民衆の敵』へのバトンタッチの失敗を思い出す。そして『SUITS』のウリは「織田裕二が10年振りに月9!」「『東京ラブストーリー』のコンビ再び!」「主題歌はB’z!」「人気海外ドラマを日本でリメイク!」と豪華さを煽る一方で、低視聴率だった時ネットニュースの餌食になりやすい要素が揃っていた。さらに不安要素として今クールはテレビ朝日で『ドクターX』の米倉涼子主演の弁護士ドラマ『リーガルV』という失敗しなさそうなドラマも控えており、視聴率や内容が比較される事の避けられない状況でもあった。そのプレッシャーの中で初回視聴率14.2%と好スタート切った事は素直に驚いたし、このペースのまま突っ走って欲しいと感じた。
ドラマの感想
自分は原作となっている海外ドラマの情報は全く持たずに見たので普通に面白かったです。冒頭から東京を空撮したショットから始まり、その後も東京のビル街を様々な角度から織田裕二が着込んでいたスーツのネクタイのようなビシッと決まったスタイリッシュな画面が続き「カッコいい画のドラマだな〜」と思って見ました。ドラマ鑑賞後に原作の海外ドラマの予告編を見てみるとニューヨークの都市の様子が物凄く魅力的に映し出されていたので、原作の都市をスタイリッシュに見せるという画的な魅力を上手く東京に置き換えて上手く再現しているのかなと感じました。
【SUITS オープニング映像】
— たむ ⋆ (@yn____bullet) 2018年10月8日
原作を忠実に再現してる感じがして本当にかっこいい〜〜😭😭👏🏻 pic.twitter.com/wMZJNrzZaK
またオープニングクレジットはシネスコサイズになって「映画化も狙ってるのかな?」と感じましたが、どうやら原作に忠実な作りらしいですね。ただカッコいいけど、少しリクルートのCM感はありましたね。タイトルも『SUITS』ですしね。
織田裕二のスター性
日本で真の意味でスター俳優と言えば個人的には織田裕二と木村拓哉の二強だと思っているんですけど、今回も織田裕二さんはスター性全開でカッコ良かったですね。まず登場シーンは「「勿体ぶった感じのお腹痛そうなシリアス顔」か「白い歯をニカッと見せながらの笑顔」のどっちで来るのかな?」なんて冗談半分で考えながら見てると前者の登場の仕方をして初っ端から「キタキタ感」が半端なく、掴みのオープニングシーンは織田裕二とドラマの2つの魅力を伝える意味で完璧でしたね。とにかくその後もスーツの着方、ネクタイの締め方、顔の仕草、建物の入り方、椅子の座り方など全てに置いて1つ1つの細かい動きにスター性が滲み出て堪らなかったです。ただ今回は余り走るシーンが無さそうなのは残念ですけどね。
中島裕翔の演技
今回織田裕二さんの相棒として『Hey!Say!JUMP』の中島裕翔さんが出演してますが、彼の演技も良かったです。今回の役は「本当は凄い人なのにある事情からフリーターに甘んじている天才」みたいな役なんですけど、誰とは言いませんが余り演技が上手くない人だと「本当は凄い自分」みたいなのを演技で出そうとしてワザとらしくなってしまって見てられないケースも多いんですけど彼は自然な感じで演じれてるのが良かったです。また酔っ払って泣くシーンなんかも下手な人がやると「悲しみの感情が爆発した演技」を演じてる感が顔から滲み出て冷めてしまう事も多いのですが、彼はその点も自然な感じで好感度高かったです。
ちなみに個人的に顔や仕草の雰囲気が元KAT-TUNの田口くんや小栗旬に似てるなと感じました。後者は『踊る3』のビジュアルの影響も強いです。
海外ドラマファンのツイート
自分は何も見ずハンデでマイクにパソコンを見せ、法分野の記憶力対決をするハーヴィ
— 世経アルバイト (@onepiecebignews) 2018年10月8日
結果として負けて負け惜しみを言うもマイクはトランプゲームをしていた
本家のこのシーン好きだったんだけど、日本版じゃ再現されなくて残念#SUITS pic.twitter.com/u6zlAcuk50
前述した通り自分は原作の海外ドラマを見てなかったんですが、上の様な「原作の海外ドラマの好きなシーンが無くて残念…」みたいなツイートは「海外ドラマも見てみたいな!」と興味を持つキッカケになって読んでて楽しいし、日本版を見た後に直ぐこういう情報が手に入るのはSNSの魅力だと思う。
#SUITS
— 然 (@brbrstjnjkn) 2018年10月8日
キャスト全員が原作の海外ドラマを意識しすぎてて逆に違和感…努力は買うけど、演技がオーバーすぎて棒読みという謎の現象が起きてる。モノマネコントになっちゃってるよ…。これは日本のドラマなんだからそこは割り切っていつも通りやればいいのに。勿体無いなあ。
またネガティブな意見でも理由付きのツイートだと「なるほどな〜」と感じて、色々な意見に簡単に触れられるのもSNSの魅力だと思うんですね。上のツイートなんかは自分も実写版『銀魂』の1作目に似たような事を感じましたね。ただ原作の海外ドラマの名前を使ってマウントだけを取りたいようなツイートは少しゲンナリしてしまったというのも正直な感想ですね。気持ちは分かるし、自分もやってしまう事がありますけどね…
その他諸々
1話目で気になった事を羅列していきます。
- 『東京ラブストーリー』ネタ
トレンディとは無縁で #東京ラブストーリー を先日の再放送で初めて見たオレが
— 轟音Drummerかつのしん (@Katsunosin_) 2018年10月8日
月9ドラマを初めてリアルタイムに見てるぞめっちゃトレンディじゃね?オレ笑
東ラブの本放送から27年経ってエアー電話からスマホに進化したリカとカンチ↓#SUITS pic.twitter.com/JUFDPWe5Ct
こういう元ネタを知らなくても問題ないけど、元ネタを知ってる人には楽しめるファンサービスみたいなシーンは好きです。知らない人が興味を持つキッカケにもなるしね!
- 地震
草#SUITS pic.twitter.com/3ZowKD7lEe
— みや (@miya_r1112) 2018年10月8日
不謹慎かもしれませんが、ドラマのシーンとマッチして地震速報が流れてました。また織田裕二が中島裕翔を認めて一緒にワインを飲む見せ場のシーンでも地震速報が被っていて仕方ない事とは言え少し残念でした。更に織田裕二主演の『僕の妻と結婚してください』が今年地上波初放送された時も1番の見せ場のシーンで、ワールドカップの結果速報が流れるなど速報に縁がないのかもしれません。
- カメラを止めるな!
カメ止めの人、月9にでるとか一気に出世したなぁ
— 社畜のよーだ (@no_shachiku_no) 2018年10月8日
#SUITS pic.twitter.com/jTEZ1pwS0R
『本当にあった怖い話』に続き『カメラを止めるな!』の主演の人が出演していました。1本の映画でココまで人生が大きく変わるなんて、やはり人生とは分からないものです。
- 美女
いよいよ月9『SUITS 』始まります‼️私が演じるのは、ドナ役の玉井伽倻子です。ドナ役のサラさんが私のインスタグラムをフォローしてくださるという事件が起き、日々励みになっています。そんな日本でリメイクされるSUITSが、ついに始まります。この後20時半から、放送直前インスタライブします。 pic.twitter.com/TbcIm4DZbI
— 中村 アン (@AnneNakamura) 2018年10月8日
女性陣はみんな美女ばかりで目の保養になりそうです。見た目で決めちゃダメかな?個人的には中村アンさんが一番魅力的でした。
- 小手伸也
『#SUITS/スーツ』第1話ご視聴有難うございました🙇生配信の後結局最後まで観てしまいました😅…皆様の批評好評酷評全て受け止め明日の撮影に臨みます!初回の演技は正直かなり絞りましたが、先を知る原作ファンの方には物足りなかったかな…難しい!#蟹江貢 はまだまだこれからが本番! #ドラマスーツ pic.twitter.com/RR6PgX0brp
— 小手伸也 (@KOTEshinya) 2018年10月8日
2クール前の『コンフィデンスマンJP』でも良い味出してましたが、最初同じ様なテンションで登場したのでビックリしました。
(C)『SUITS/スーツ』/フジテレビ
最後に…
このまま好調が続いて、織田さんの新たな代表作になると良いですね。応援してます!