今更観たよ!今年1番のダークホース映画『カメラを止めるな!』

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今回は今年1番のダークホース映画『カメラを止めるな!』の感想です。

 

観る前の期待度

kametome.net

本作の快進撃は色々な場所で語られているのでこのブログではスルーして、この映画を観るとみんな驚くらしいんですが自分はまず「韓国映画じゃなくて日本映画なのか!?」という事に驚きましたね。てっきり昨年の『新感染』と同じく韓国製のゾンビ映画が話題になってるんだと思って「韓国凄いな〜」と勘違いしてた訳ですね。

それくらい本作には興味がなかったのですが、話題沸騰になるとテレビとかネットニュースでも取り上げられるようになってネタバレを避けようと思っても不可抗力でウッカリ見てしまう事ってあるじゃないですか。その度に自分は「アレ?コレはセーフなのか?もしかしてアウトなのか?」と不安になってしまったんですよ。それで自分としてはある程度の本作の構造みたいのは見えてきていて、いつの日からか「今頃観てももうみんなのように楽しめないんじゃないか…」みたいないつまで経っても童貞が卒業出来ない奴の典型的なパターンみたいのに陥ってしまったんですね。

ただ仮に自分の予想する構造通りの作品であったとしても、それがバレたからつまらなくなるような作品だったらここ迄話題になる訳もないし仮にそうだとしても「そのレベルの作品だった」と自分の中で区切りが付けれるような気がしてきたんですね。しかもよく考えたら三谷幸喜作品だったら興行収入を見込む為に宣伝の段階である程度構造やネタを予告編で見せながらシッカリと観客を楽しませている事から「三谷幸喜作品より面白い」というレビューを片目に「かかって来いよ!」とイキッた感じで観てきました。

 

 

観た後のネタバレ感想

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評価:★★★★(5段階)

イキッた感じで観に行くと宣言しながらも正直心の奥底では世間での大絶賛から自分の中で上がりまくったハードルを飛ぶのではなく、利根川同様に何食わぬ顔で「えっ?コレ飛ぶ奴だったの?あまりに高すぎて間口の広い入り口だと思ったよ」と言った感じで潜り抜ける心構えだったんですね。そのお陰かどうかは分かりませんが普通に楽しむ事が出来ました。

 

  • 構造は予想通り

youtu.be

「構造は予想通り」とか書くと「自分は観てる間にネタが分かっちゃったよ」みたいな自慢っぽくなって嫌なんでが、公開からかなり時間が経っていた事もあって「二重構造」とか「三谷幸喜作品っぽい」とか本作のキーワードをよく耳に入れてたから分かったという話です。

また本作の予告編で「ゾンビ映画の撮影中に本物のゾンビが来たドラマをワンカットで生放送でやる」くらいまでは明かされている上に、その時の画面の質感がデジタルだったので作中で映画の撮影中の様子になった時も画面の質感がデジタルに変わらなかった事から「コレも劇中劇なのね」と分かってしまったという面もありました。その反面「冒頭37分のワンカットのシーン」が重要なんだなと分かってた分、集中して楽しめたというメリットはありました。「なんだよ、この映画退屈だな…」と感じだ後の「こう来たか!」みたいな楽しさは無くなりましたね。ただ生中継の部分とか記憶から抜けてた部分もあるので「あっ、なるほどね」感が全く味わえなかった訳ではないんですが… ちなみに本作を公開初期の方に観た勘が悪い人でエンドクレジット中に帰る派で本当に帰っちゃった人は本当にいるのか気になります。

 

  • 37分間のワンカット映像

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冒頭のワンカット映像の部分に関しては先日別エントリーで「ゾンビ・チャンネル」で自分が偶々見た程の感想エントリーを書いて二重構造みたいな感想にしたいなと挑戦してみたんですが余りウケなくて少しショックでした… ちなみに録音係の人が途中退席するシーンはお腹痛いと直感で分かった不思議。

まぁ、それは置いといて今までの作品だと「こういうピンチになった!けど何とかしてお客さん視点では大成功or何とか切り抜けた?」みたいのって時系列を同時進行で見せるパターンが多かったように思えますが、最初に37分間客の視点だけを思い切って見せちゃうのは珍しい気がするしテレビとかだと飽きられてチャンネルを変えられてしまう可能性もあるので映画という媒体ならではだなと感じたりしました。ただよく考えれば最近古沢良太の『コンフィデンスマンJP』もこんなトリックを毎週やってたし、本作を絶賛してた『SKET DANCE』の篠原健太さんも「自分には出来ない」と謙遜していましたが似たような事はやっていたような気がします。ただやっぱり構成の仕方1つでも作品は大きくイメージが変わるものだなと再認識させられました。

 

  • 後半パートのキタキタ感

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前述しましたがこの構造を公開前に基本的にバラさずやれたのは良くも悪くも低予算映画の小規模公開だったからな訳で、三谷幸喜さんや古沢良太さんみたいにフジテレビ製作の大作映画だった場合ある程度宣伝段階で構造をバラした状態での公開になったと思うんですよ。でも彼らの作品はその構造がバレた状態でも観客を満足させる訳だから、きっと本作も大丈夫だと信じてみたら期待通りの楽しさを提供してくれて嬉しかったですね。

特に最初の監督が男優とアイドルに迫る場面は普段温和な人がアドリブで本音をぶちまけた感が凄くて笑っちゃったし、その後も色々な人が工夫したり協力したりしながら成長する人の様子なんかまで盛り込んで上手くまとめてた凄く楽しい映画だなと感じました。

 

  • アイドル女優役最高!

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本人も認める程『ALWAYS 三丁目の夕日』の山崎貴監督に似ている監督役の人の演技も良かったんですが、一番魅力的に見えたのはアイドル女優役の子ですね。「事務所が〜」を盾にあくまでも自分はやりたいというスタンスを貫きながらいい加減に対応するあの雑さから、撮影が始まってからの肌の艶の美しさ。階段を登るショットのお尻をマイケル・ベルの『トランスフォーマー/ダーク・サイド・ムーン』並に追っかけて撮影してたのも嬉しかったですね。

また大前提として彼女の恐怖シーンって本当に怖がっている感じが出て、コッチまで凄く身構えさせられてしまいました。やっぱりゾンビがあのレベルでも怖がるシーンを真剣にやれば割と怖いモノなんですね。スピルバーグの『宇宙戦争』の女の子の叫びっぷりを思い出したりもしました。

 

(C)ENBUゼミナール

 

 

最後に…

ただこのエントリーの熱量から伝わるように個人的には普通に楽しかったくらいの感じで世間の盛り上がり程の熱量はありません。ただ普段は億単位でお金がかかった商業作品しか観ない自分が300万円の低予算で作った映画を劇場でお金を払って観たいと思えたのは口コミの盛り上がりに触れたからですし、その体験自体もとても楽しかったです。ただ多くの人が心配するように「300万円でこのレベルが出来る」という事実から低予算こそ正義みたいな『水曜日のダウンタウン』のオチ並みの安易かつ極端な結論に至らないように願います。

最後にどんな駄作でも裏では色々な苦労があるんだろうなと感じれて、少し作品に優しくなれるような映画だと思いました。ネタバレ食らってる人でも楽しめると思うのでオススメです!