浦沢直樹がルーブル美術館とコラボした漫画『夢印-MUJIRUSHI-』

夢印 (ビッグコミックススペシャル)

今回は浦沢直樹がルーブル美術館とコラボした漫画『夢印-MUJIRUSHI-』を紹介。

 

浦沢直樹×ルーブル美術館

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本作は『YAWARA!』『20世紀少年』の浦沢直樹がルーブル美術館との共同プロジェクトとして描いた作品。フランスでは芸術に順序があり、第1から8までは順に「建築」「彫刻」「絵画」「音楽」「文学(詩)」「演劇」「映画」「メディア芸術」とされているといいます。そしてその9番目に認められたのが「漫画」で、ルーブル美術館としては漫画という芸術表現も使ってルーブル美術館を更に広めたいという思惑があるようです。芸術にランク付けなどないと思ってたのに… そこに何かを感じたのかは知りませんが、浦沢直樹さんも「9番目の芸術」としてではなく「日本漫画」として本作を執筆したそうです。

 

 

ルーブル美術館とコラボした漫画

千年の翼、百年の夢 (ビッグコミックススペシャル)

ルーヴルの猫 上 (ビッグコミックススペシャル)

過去にもルーブル美術館との共同プロジェクトという形でルーブル美術館をテーマに描かれた作品は多数あり、本作と同じ『ビックコミックオリジナル』の雑誌で連載された作品だと谷口ジロー氏の『千年の翼、百年の夢』と松本大洋氏の『ルーヴルの猫』が挙げられるようです。

千年の翼、百年の夢 (ビッグコミックススペシャル)

千年の翼、百年の夢 (ビッグコミックススペシャル)

 
ルーヴルの猫 上 (ビッグコミックススペシャル)

ルーヴルの猫 上 (ビッグコミックススペシャル)

 

岸辺露伴 ルーヴルへ行く (愛蔵版コミックス)

また他社の他誌でも荒木飛呂彦先生の『ジョジョの奇妙な冒険』のスピンオフ作品『岸辺露伴は動かない』シリーズの一編としてもコラボしているようです。

岸辺露伴 ルーヴルへ行く (愛蔵版コミックス)

岸辺露伴 ルーヴルへ行く (愛蔵版コミックス)

 

 

 

ルーブル美術館へ向かう破滅寸前の父娘

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本作で語られる物語の導入部分だけを出来るだけネタバレが無い形で紹介するならば、事業に失敗し多額の借金を背負い、妻に逃げられ娘と2人で暮らしている破綻寸前の父親がある日偶々目にした目印を元に『仏研』というフランスを研究しているフランス語を流暢に操る蝶ネクタイを付ける謎の出っ歯の男の屋敷に入ってしまう。そこで父と娘は色々な話を聞かされ、ある目的の為にルーブル美術館に向かう事になる。ただその『仏研』は定年間近の老警官がマークしてて… という物語です。

 

 

単行本1巻で完結のコンパクトサイズ

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浦沢直樹さんは近年「風呂敷を広げるのは上手いけど、畳むのは下手な漫画家」としてパブリックイメージが定着しているような感じがします。そしてその原因には雑誌の都合上連載を引き伸ばした結果、収集がつかなくなった事が原因としてよく推測されます。多くの人は浦沢作品を読み終わった後に「もっと短くまとめれば傑作だったかもしれないのに…」という感想を持つ人が多いのもそれが原因かもしれません。

ただ今回の作品はルーブル美術館との共同プロジェクトだからなのか短期集中連載だった為、単行本1巻分のボリュームでまとまっているので風呂敷の広げ方はもちろん、張られた伏線もシッカリと回収される為軽い気持ちで読み始めてもサクッと楽しめるSF(すこし・ふしぎ)作品になっているように思えます。また某米大統領を思い起こさせるキャラクターや某人気漫画のキャラクターも登場するので、ライトなファンもコアなファンも両方が楽しめるエンタメ作品になっているように感じました。

 

<出典:『夢印-MUJIRUSHI-』/浦沢直樹/小学館>

 

最後に…

ルーブル美術館を題材にしている為、全体として豪華な雰囲気を漂わせ観光漫画としても楽しめるかもしれません。カバーが裏表になっている一手間加えられている工夫も含めてオススメです。

夢印 (ビッグコミックススペシャル)

夢印 (ビッグコミックススペシャル)