松竹史上最大の製作費をかけたSFアクション超大作『東京喰種 トーキョーグール』の続編が決定

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実写映画『東京喰種 トーキョーグール』の続編の製作が発表された。

 

製作費は松竹史上最大

東京喰種 1―トーキョーグール (ヤングジャンプコミックス)

本作は累計発行部数3000万部を突破する人気漫画の実写映画版であるのと同時に映画会社・松竹の最大の勝負作であった。

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松竹映画といえば山田洋次監督作品『男はつらいよ』シリーズの印象が強いからか、全年齢を対象とする東宝に対して何処かターゲットにしている年齢層は高めに感じてしまう。しかし本作はそのイメージを破るべく松竹初の300館クラスのSFアクション超大作であり、松竹の大角正常務は「一番はファンを大事に作りたい。屋台骨を支える作品にすべく、松竹史上最大の製作費をかけた」と語るなど力を入れていた事が伺える。

 

プロデューサーは若手

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そんな松竹の勝負作だった本作だが、プロデューサーは意外にも若手の永江智大さんが担当した。永江さんは幼少期に多くのSF小説に触れ、映画『ネバーエンディング・ストーリー』を観た事で映像の世界に興味を示し始める。ただし地元が田舎だった為、映画館で上映していた作品は『スター・ウォーズ』や『マトリックス』などのメジャー作品ばかり。ただしそのお陰で益々SFやファンタジーの世界に興味を持つようになったという。

その後大学進学を機に上京して松竹に新卒入社して、子供の頃憧れたSF映画を製作しているのだからカッコいいし憧れる。永江さん曰く本作は「人間ドラマ」「映像美を追求したアクション」「世界に向けて発信すること」という3つの指針を決め「異なる者同士がどうやって理解し合うのか」という作品の根底の普遍的なテーマを追求する事で世界中の人たちから共感を得ること目指したという。

 

 

監督は長編映画未経験のCMディレクター

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インタビュー|映画『東京喰種トーキョーグール』 公式サイト

更に本作で驚かされるのは松竹の勝負作のプロデューサーを若手に任せている事だけではなく、監督も長編映画未経験のCMディレクターを抜擢したという事だ。

この抜擢の狙いはプロデューサーのインタビューを読むと「監督は若い方、長編映画が初めての方のほうが想像を超えるものが作れる」と思ったからという理由。またバトル・アクション面も「普段CMの世界で最新技術と接している方なので、アイデア豊富で、そのアイデアをアクション監督に伝えて具現化できれば、成立する」と考えたそうだ。

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その上で監督のインタビューを読むとアクションシーンは邦画の予算などの制限の中「見せ方を工夫しているアクション」を目指して製作したという事が分かりプロデューサーの狙いが上手くハマったように感じる。

 

清水富美加「幸福の科学」へ出家

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千眼美子 (@sengen777) on Twitter

本作は公開前にヒロインが「幸福の科学」へ出家するという誰もが驚きを隠せないようなアクシデントもあった。しかも彼女の出家の主な理由の1つに「人肉を食べる人種の役柄」という宗教的価値観と合わないキャラクターを事務所に演じさせられたことが辛かったと語っている。そしてこの役柄は明らかに本作で演じたヒロインを指している。

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ちなみに彼女の演じたグールは人間と舌の構造が異なるは為、肉はとても生臭く、野菜はとても青臭く感じるために人間の普通の食べ物を食べると急激な吐き気を催す種族だ。ただし人間の世界に馴染むために時には人前で人肉以外のものを食させなければならない時がある。その為本作で描かれる彼女が友達の作った肉じゃがを美味しそうに食べ、1人になった後吐くシーンは宗教的価値観の合わないキャラクターを演じていた撮影時の彼女の姿と重なる

その一方で原作者の石田スイ先生は製作発表時に「清水さんが、この作品を通して新しいものが見つかるのであれば、それはとてもすばらしいことだと思います。清水さんの新しいステージに繋がるようななにかが、きっと見つかるのではないかと、自分は感じております。」とコメントしていたがまさかその新しいステージが出家だとは微塵も想定していなかっただろう。

コメント|映画『東京喰種トーキョーグール』 公式サイト

 

 

興行目標は30億円も結果は11億円

www.bunkatsushin.com

公開前から色々あった本作は2017年の7月に封切られ興行収入11.0億円を記録した。公開前の松竹の大角正常務取締役のインタビューで「最も大きく期待しているのが『東京喰種 トーキョーグール』。それから『曇天に笑う』。この2本は30億行ってほしい。」という発言があった事から考えるとこの興行結果は目標の1/3程度の興行とかなり物足りなく感じる。またヒロイン役の清水富美加が出家した事で続編の製作はされないと思っていたので今回の続編発表には正直驚かされた。

 

※『曇天に笑う』は興行収入10億円に届かず不発だった。

 

続編のクオリティに不安…

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松竹の興行目標から大幅に下回る興行結果に終わったにも関わらず続編製作を発表した本作だが、1つ不安要素がある。それは製作費だ。実際前作が本当に松竹史上最大の製作費をかけたのかの真偽は置いとくにしてもそれなりの予算を注ぎ込んだ事は間違いないだろう。また一部報道では予算が当初の予定よりオーバーしたという話も聞く。その上続編の興行は前作を下回るケースが多い。この状況で続編の製作にゴーサインを出して大丈夫なのだろうか?

個人的に前作はCGのショボさはあるが、アクションがとても見やすくて好感度が高かった作品だ。その為続編を作るのなら前作以上のアクション、それが難しくても前作と同レベルのクオリティを望んでしまう。

製作費の視点から続編の最大のメリットは1作目のように一からキャスティングしたり、衣装やセットなどの美術を使ったりしなくても済み前作のCGのデータも続編に活かせるという点にある。更に予算が前作から上回るケースも多い為続編のアクションが派手になる作品は多い。中にはアクションが派手になっただけで物語のスケールがダウンしている作品もあるが… とにかく本作が作品のクオリティを維持出来るのか非常に心配だ。

 

 

最後に…

兎にも角にも期待薄だった続編を製作してくれるというのなら純粋に楽しみにしたいと思います。近年は人気漫画の実写映画はコケ続けの中で本作だった特別興行が振るったわけでは無いのに続編を製作するという事は製作陣に勝算があるからこそやると思うので。そうだよね?

松竹は『秘密』『真田十勇士』『RANMARU 神の舌を持つ男』などシリーズ化を見込んだ作品が連続でコケた上での本作の続編なので頑張って欲しいです。

(C)2017「東京喰種」製作委員会 (C)石田スイ/集英社

東京喰種 トーキョーグール