「ジュラシック・ワールド/炎の王国」はエンタメ映画として超楽しいのに色々考えさせられる作品

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今回は大ヒットシリーズの最新作「ジュラシック・ワールド/炎の王国」の感想です。ポスターのビジュアルが素晴らしい!

 

観る前の期待度

  • オープニング4日間で興行20億円超えのスタート

本作のオープニング興行には正直驚かされた。何故なら7月13日(金)に全国1002スクリーンで封切られ本作はオープニング4日間で21億0677万円と20億円を突破する強烈なスタートを切ったからだ。もちろん前作も興行収入95.3億円の大ヒット作品。それなりの数字が出る事は事前に予想していたが日本公開前に封切られた全米興行は大ヒットこそしているが前作程の勢いはなかった。しかし日本では久々に映画興行で心の底から興奮出来る数字を叩き出してくれた。もちろん続編映画の興行はオープニングに客が集中する傾向がある為最終興行100億円を突破出来るかはまた別問題ではあるが、シリーズのブランド力を見せつけられた形となった。ちなみに日本で1000スクリーン以上の規模で封切った作品って2012年の「アメイジング・スパイダーマン」以来じゃないのかな?そう考えると配給会社やシネコンスタッフの力の入れ方が伺えて「ハリウッドの超大作が公開されてるんだな!」と個人的なお祭り感やワクワク感も更に増して期待度が高まっていた。この祭りに参加したい!

 

  • 退屈だった「ロスト・ワールド」

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正直日本公開前の全米の大手批評サイト「ロッテントマト」の評価がイマイチだった時は「つまらないのかな…」と心配になった。

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現に自分は初期3部作(と便宜上は表現させてもらいます。)の2作目「ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク」は後半の都心でティラノサウルスが暴れまくるシーンは楽しめたが前半のパークでの冒険シーンは正直かなり退屈してしまった人間だ。初めにパークの中で恐竜が出てきたシーンも1作目と同じワクワク感は慣れてしまった為かワクワク感は全く感じる事が出来ず恐竜が動く事へのありがたみも感じる事は出来なかった。しかし本作の監督のインタビューを読むと「ロスト・ワールド」を絶賛している。そして予告編を観ると前半はパークの話で後半はパークの外に人為的に運び出された恐竜達の話に感じる。これは「ロスト・ワールド」と似た構図だ。そうなると楽しめないかもと不安があった。

 

  • 「ジュラシック・パーク」の魅力

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では何故1作目の「ジュラシック・パーク」は恐竜を新鮮に感じられるのか?それは恐竜は非日常的な存在でありどうして現在に恐竜が蘇ったのかというプロセスの説明などを含めて恐竜という本来なら出会う事すらあり得ない存在をリアルに感じさせる新鮮感があったからだ。その意味で続編はどれもこの日常から非日常への移行が無い分どれも弱い作品になってしまうのはやむ終えない。また1作目でティラノサウルスが登場するシーンの演出は未知との遭遇だからこそ丁寧な演出が恐怖に繋がったが、2作目はその丁寧な演出の数々がかったるく感じてしまった。さらに1作目は「ジュラシック・パーク」というテーマパークを自分がまるで本当に回っているようなワクワク感も楽しかった。細部まで作り込まれたパークの設定は本当に何処かにあるんじゃないかという説得力を感じた。元々あの手のテーマパークの見取り図を見るだけ興奮する自分には堪らなかった。だからこそあの舞台設定が続編では4作目以外は滅びて使えなかったのは残念だ。もはや2作目と3作目は全然パークじゃないからな…

ジュラシック・パーク (吹替版)

ジュラシック・パーク (吹替版)

 
ジュラシック・パーク(字幕版)
 

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ただ個人的にタイトな上映時間で恐竜と人間のアクションをコンスタントに観せ続けた「ジュラシック・パークⅢ」はテンポが良くて結構気に入っていたりもする。後ヒロインが一番美人でお気に入り。ただラストメッチャいい感じの音楽と共にプテラノドンが島の外を飛んでたけどその後どうなったんだろ…

ジュラシック・パークIII (吹替版)
 
ジュラシック・パークIII (字幕版)
 

 

  • 「ジュラシック・ワールド」の評価

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3作目から12年の時を経て公開されて大ヒットを記録した「ジュラシック・ワールド」は多くの犠牲者を出したパークを一般観客に向けてオープンするだけでなく、恐竜同士のDNAを掛け合わせて新種の恐竜まで開発するという死亡フラグしか感じさせない作品だったが、それなりに面白かった。やっぱりテーマパークのワクワク感は凄いなと感じた反面、インドミナスレックスにあまり怖さも感じず… 3部作の2作目は劇場で観なくてもいいかなとも考えてました。しかし「金曜ロードshow!」で3作目を放送した時に尺が余ったからか流してた本編映像が面白そうだったので劇場まで足を運びました。ちなみにその放送のナレーションはうるさかった…

  

観た後のネタバレ感想

評価:★★★★(5段階)

  • オープニングからテンションマックス!

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アバンタイトルではインドミナスレックスの骨を採取するために海に潜る潜水艦の描写から始まる。そこで繰り広げらるヘリコプターと恐竜のバトルはオープニングからテンションマックスに!やっぱり大きなスクリーンで観ると最高だ!オープニングタイトルも火山の溶岩をイメージさせ超大作感を煽りさらにテンションは上昇!これ以上にないオープニングだった。

 

  • 前半は迫力満点のスペクタクル描写の連続!

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本作は物語冒頭でパークにある火山が噴火しそうである事が明かされる。そこで恐竜をその噴火から救うかそれとも自然に任せるかが議論の的になる。主人公たちは救出に向かう為パークに行くのだがそこでの描写はとにかく派手で勢いのある迫力満点なシーンが連続する!

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火山描写もしっかり描き込まれているし、海に沈む描写などバラエティ豊かなピンチの連続で飽きさせない!そして噴火の時に隕石が落ちて恐竜が逃げ惑うシーンは史実の恐竜絶滅を思い起こさせる… 最後船からパークに取り残された恐竜たちの姿を観て目頭が熱くなってしまった。前半は問題提起からディザスターシーン、そして感動まで詰まってこれだけでも一本の映画として出せるくらいテンコ盛りで最高だった!

 

  • 後半は室内での緊張感溢れる描写連発!

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島を出た後はゴシック調の洋館で緊張感溢れるアクションが描かれる!狭い空間で追い詰められながら逃げる展開は家でゴキブリを捉え損ねて何処から飛んでくるか分からない緊張感を思い出す程。スケール感の小さい例えになってしまったが、インドミナスレックスみたいな大きな恐竜よりラプトルくらいの大きさの方が個人的には怖い。一瞬可愛い目で油断させてから牙を剥くからなアイツらは。ジワジワと焦らしながら攻めてくるのも怖さを感じるポイントだ。

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そういう意味では本作は1作目以来本当の意味で怖い「ジュラシック」シリーズだったように感じる。1作目のキッチンのシーンを思い起こさせるシーンもあったしね。音響も耳がおかしくなるんじゃないかと思う程凄かったし時折椅子から跳ねる程ビックリしたシーンもあった(迷惑な客)。ホラーテイストなのも良い。

 

  • インドラプトルの魅力

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DNAの掛け合いで誕生したインドラプトルだが、コイツはメチャクチャ怖い反面コミカルな面も見せた。歯を集める奴を騙す目付きは「モンスターズ・インク」のランドールそっくりな小物感。そこからはメチャクチャ怖いんだけどね… 爪をカツカツさせるのも魅力的。コイツがオークションで試作品なのにガンガン値段が上がっていく描写や指名されたターゲットを確実に襲う設定も好きだし、それを生かしたラストも良かった。「ジュラシック」シリーズって割と人間側が本当にピンチになるとそれより強い恐竜が出てきて倒して終わりのパターンが多いからな… 本作はしっかりとロジックがあって面白かった。

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またガラスのヒビの演出は少し「ロスト・ワールド」チックだったのも2作目を好きだと公言する監督のオマージュなのかなと思ったり… 多分関係ないね。

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※「ジョジョの奇妙な冒険」/ 集英社

インドラプトルがブルーと取っ組み合いながら落ちてインドラプトルだけが像に刺さって死ぬのは少し「ジョジョ」の第1部のDIOがジョースター家の像に刺さるシーンを連想した。最強生物は刺し殺すのが一番だ!DIOは死んでないけどね!

 

以下本作のラストに触れます。

 

  • Welcome to Jurassic World

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本作はラストで洋館から恐竜を逃がすか、それとも閉じ込めたまま見殺しにするかを主人公達は迫られる。クレアは扉を解放するボタンを押そうとするが、直前の所で留まった。しかし女の子がそのボタンを押してしまう!彼女はクローン人間で同じクローンである恐竜にも命があるという理屈でボタンを押すのだ。その結果洋館の外に出た恐竜たちは人の住む街中に出てしまい人は恐竜との共存を迫られる事になる。マルコムが「Welcome to Jurassic World.」と発言してタイトルの真の意味が明かされる所はとても痺れたし、プテラノドンが太陽をバックに飛ぶ姿を見る主人公のこれから起こるであろう絶望への予測とそれに立ち向かおうと覚悟を決めた何か大きな事が起こりそうなラストもカッコよかった。「ジュラシック」シリーズはどんな絶望的な状況でも基本的にかなり強引な演出でポジティブな雰囲気で終わる事が多かったからね。本作は真の絶望を描いて終わったのが次回作への期待度も高める。エンドクレジット後の映像はCGが少しショボくて笑いが漏れてたけど… 余談だが超大作映画だけあってエンドクレジット中に席を立つ人が多かった。

 

  • 解放ボタンを押すべきだったのか?

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本作は観終わった後に「楽しかった〜!この後どうする?」とレジャーの一部として終わる作品ではなく、「おまえならあのボタン押した?」みたいな議論が出来る作品になっている。女の子はクローン人間で同じように生まれた命を守りたかった気持ちは分かる。それに加えて自分のクローンの命を恐竜を救う事で肯定したいという気持ちもあったのだろう。またクレアがボタンを押したかった気持ちも、島で火山の噴火で死んでいった恐竜を見た後なのだから彼らの命を救いたいと考えた気持ちも分かる。

ただ「押すべきだったのか?」と問われれば自分はパークで取り残された恐竜の姿を観て目頭が熱くなったなど書いた直後に書くのもアレだが主人公と同様押すべきではなかったと思ってしまう。もちろん人間が頼まれてもないのに恐竜を復活させたのに、危険だから殺しますというのは人間の身勝手さのように感じてしまう。しかし恐竜たちを解放してしまったらより多くの人間たちの犠牲が出てしまうし、自分や家族、恋人、友人、知人などが巻き込まれた時「これも自然の掟」みたいに冷静で居られるかと問われればそれは出来ないだろう。そもそも人間は生きるために牛や鳥・豚・魚など動物の命を捕食している。なら同じ原理で生きるために恐竜を見殺しにする選択を選ぶのもやむを得ないのではないか?もちろんこの選択が正しい答えだと言うわけではない。ただ目の前で命が奪われるのが見るに耐えないという理由でそれ以上の数の犠牲者を出すのかと思うとそれは間違っているように思える。

ちなみに始めは女の子の選択は責められる事ではないと考えてたが、いざ日本の空にプテラノドンが飛んでいて、いつ自分が襲われてもおかしくない状況が来ると考えたら「ふざけんじゃねー!」と考えてしまう気がする。多分現実世界なら女の子がクローンだという事も知らないし。ただこういう事言ってると真っ先に犠牲者になって死んだら多くの人が喜ぶ小物感がハンパないのが残念。多分自分は「ジュラシック・ワールド」で生き残れないだろうな…

  

結論

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結論としてとてもエンタメ作品として楽しい上に色々考えさせてくれる良い映画だと思いました。個人的には4作目よりも面白かったです。早く次回作が観たい!オススメです!

  

おまけ

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この海に落ちるシーンはワンシーンの為だけに10メートルのジェットコースターを作って本当に落として役者の臨場感や緊迫感を演出したらしい。さすがハリウッド大作はお金がかけられるぜ!

  

蛇足 

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予告編で結構内容が分かってしまうのが残念だが予告編である程度内容が見えないと観たいという気持ちにならない「予告編のパラドックス」が本作でも発動。劇場に入る直前にその部分の記憶だけ失う仕組みが欲しいけど、そんな仕組みがあったら悪用間違いなしだ。