今回は久保帯人原作の累計発行部数1億2000万部超えの大人気コミックを「GANTZ」「アイアムアヒーロー」「いぬやしき」の佐藤信介監督がメガホンを取って実写映画化した「BLEACH」の感想を書きます!
観る前の期待度
今回は個人的にも思い入れのある原作の実写映画版だった事から公開前に6000文字を超える期待と不安を別エントリーにまとめています。個人的なスタンスを一言でまとめる「BLEACH」の「死神代行編」の作風と佐藤信介監督の得意とする方向性が上手くマッチする事を信じて観に行くという感じです。また今回の「観る前の期待度」で不安視した点は基本的に「死神代行編」では作風的に大丈夫だろうと考え始め公開が近づくにつれて「アレ?意外とイケるんじゃないの?」と少しずつ期待値も上がっていきました。
またセブンイレブンで「BLEACH」の「死神代行編」の前半を収録したコンビニコミックが映画とのタイアップとして大量に棚に置かれてたのでつい購入。まんまと企業側の策略に乗せられた感がハンパないぜ!ただ原作の復習と実写版を観るにあたっての予習が出来たし懐かしい気持ちにも浸れたので良い買い物だったとポジティブに考えていきたいです。ただ現在「ジャンプ+」で「死神代行編」が無料公開中なのは少しダメージがあります… 委託のオールカラーなのがイマイチだが…
— 久保帯人 (@tite_official) 2018年7月14日
ちなみに本作公開前に原作者がコメントを出してましたが、それを読むと特別絶賛というわけではないがコメントを出せるくらいには良かったよと割とリアルなコメントを出している。実写映画とは適度な距離を保ってますよというスタンスも久保帯人先生らしさが出てる気がする。イラストを描くほどでは無かったのかな…
[警告]これより下は実写版「BLEACH」が好きな人は不快になる可能性が高いので読まない方が良いです。
観た後のネタバレ感想
評価:★★(5段階)
- 映画として残念な作品
※一護のビジュアルは高クオリティ
まず初めに大まかな自分の結論を書くと、原作と違うからダメとかではなく映画としてどうかと思う作りだった。自分は続編ありきで1作目を製作する事は間違った事では無いと思っているけど本作はあまりにも続編を意識しすぎた上に映画としてのカタルシスがまるで無い。前半のアプローチが良かっただけに非常に勿体無く思う惜しい作品だとも感じる。ここからはその点について掘り下げて書こうと思う。
- 母親の死を乗り越えて大人になる物語のはずが…
※一護が母親の残像を前に苦悩する
当然だが漫画原作をそのまま実写映画にするのは難しく実写映画用のアプローチが必要になる。本作は原作の序盤のエピソードである一護の母親を殺した虚であるグランドフィッシャーを物語の軸に置く事で一護が因縁の相手を倒して母親の死を乗り越え大人になる物語を描きたいように感じた。その為アバンタイトルでは母親の不可解な死の様子を描いて本作が「母の死を乗り越える一護の話」と提示されるし、物語の終盤では母親の仇であるグランドフィッシャー戦が描かれて一護が母親の死を乗り越える過程が描ける1作目のラスボス戦としては申し分ない状況が作れている。さらに物語の終わりでは友達から「雰囲気が変わった。」「大きくなったように感じる。」と一護の成長を感じさせる言葉がかけられ一本の映画として綺麗に輪を閉じた様に感じさせる。しかし本作は一護が成長したというカタルシスは感じ難い。その理由を考えると石田雨竜をグランドフィッシャー戦に参戦させた事とグランドフィッシャー戦の後に恋次・白哉戦が繰り広げられて負ける事で作品の軸がブレてしまったからだ。特に後者の展開の罪は重い。その上グランドフィッシャー戦より恋次・白哉戦が地味なのも残念なポイントの1つだ。
- グランドフィッシャー戦に石田を参戦させた功罪
※弓のCGもアクションもカッコいい!
本作のグランドフィッシャー戦は原作とは展開が大きく異なる点が2つがある。1つ目は黒崎家の墓場から駅前ロータリーに移動する事。2つ目はこの戦いに石田雨竜が参戦する事。
※宝くじくらいの製作費をかけたオープンセットを暴れるグランドフィッシャーは迫力満点!
まずこの展開は映画的な迫力を考えれば適切かつ見事な原作からの改変点であるように思える。駅前ロータリーを破壊する様子は迫力満点で怪獣映画を観ているようなカタルシスを感じさせたし、虚は一般人には見えない事から何が起こっているかよく分からない一般人のパニック描写も楽しかった。
※本物のバスを買い取って撮影している
また一護がバスの中で手足を拘束されたままバスをグルグルと回転させられる中の様子を観せる演出も新鮮で楽しかったし、一護のいるバスの中を窓から矢を通してグランドフィッシャーの額を狙う石田のアクションもカッコよくてテンションが上がった。正直このアクションシーンはもっと観たかったし、ここだけなら★5個付けても良い程のクオリティだった。
しかしグランドフィッシャー戦に石田雨竜を参戦させた事で、グランドフィッシャーが一護の前に母親の残像を観せて一護を混乱させる描写が原作に比べて極端に弱まってしまっている。そしてこの変更点のせいで一護が母親の死を乗り越える大事な戦いという本作の肝となる部分までもが弱くなってしまった。
- 「るろうに剣心」の呪縛
※第2の「るろ剣」を目指す発言も…
本編中グランドフィッシャーが見せる母親の姿に一護は大して惑わされないが、ワーナー・ブラザースは「るろうに剣心」の残像に惑わされているように感じる。何故なら続編から登場させれば良い恋次と白哉を何故か1作目から登場させているからだ。この理由はもちろん恋次と白哉が人気キャラクターだからというのもあるだろうが、それと同じくらい「るろ剣」が成功した事で迫力のある殺陣を観せなくてはならないと強迫観念に駆られたからという理由もあったのではないか?だから本作でもグランドフィッシャー戦の後に恋次と白哉が一護と殺陣を観せる。結果としてグランドフィッシャーを倒したカタルシスは皆無になったしまう。その上尺の関係でグランドフィッシャー戦も死神同士のバトルの前座扱いになり「このアクション楽しい!もっと観たい!」と感じた瞬間に終わってしまう。これも凄く残念。
宣伝で怪獣映画の側面を見せるより、「るろ剣」のようなアクションで売りたかったのではと邪推してしまう。現にパンフレットを読むと本作のエグゼクティブプロデューサーは「るろ剣」と同じ人だった。
- 続編を狙い過ぎた結果…
※虚のビジュアルはどれも原作より好き
本作は続編を狙い過ぎた結果、映画としての完成度が著しく損なわれている。本作はオープニングクレジットで神社や仏の像を映しながら日本中で起こる怪奇現象の映像を差し込んでいる。この怪奇現象の映像は原作ファンには虚のせいだと分かるし、原作未読の人には今後の展開への興味をそそらせる事が出来る。その後主人公が幽霊が見えるという設定を披露してルキアを登場させ、一般人には観えない虚が登場する。つまりオープニングクレジットから観客を奇妙な雰囲気にさせて順序を踏みながら少しずつ非日常描写に慣らすことで観客に本作の設定が飲み込みやすくなるような工夫がされている。しかし「るろ剣」の残像や続編への伏線のために恋次と白哉を出したため井上織姫やチャド、石田雨竜のエピソードを大幅にカットして母親のエピソードという本作の軸まで台無しにしてしまっている。その上恋次と白哉が登場した事で一気にリアリティラインも下がり全体の話の軸がブレ始めてしまった。せっかく日本古来の雰囲気を持つ日本らしいアクション映画が出来そうだったのに… 結果的に凄く惜しい作品になってしまった。
- グランドフィッシャーをラスボスにすれば…
※グランドフィッシャー戦は良かったが…
本作が惜しいと感じさせるの前半のアプローチを続けながら一護の成長物語、つまりヒーロー誕生譚と仲間を集めるエピソードに集中すれば良い作品が出来たと感じさせられるからだ。
個人的な考えを書けば、本作では恋次と白哉は登場させずに井上やチャド、石田のエピソードを丁寧に描いてグランドフィッシャーをラスボスに置く物語だ。グランドフィッシャー戦も母親の残像に苦しむ一護の姿をしっかり観せながら石田だけではなく井上やチャドもバトルに混ぜて母親の仇を一護は仲間と一緒に成し遂げて成長したという物語にすれば良かったのではと感じてしまう。そうすれば母親の死を乗り越えた一護のカタルシスを感じさせつつ、井上やチャドの能力解放や石田との関係性の変化まで一本の映画で描き切れたのではないか?
※続編の匂わせはこの程度に…
これでも続編に繋げれるし、続編の伏線はアメコミ映画同様エンドクレジット後にルキアに何かが迫っているという上の画像のような事を少し匂わせる程度で良かったように思える。もしかしたら続編を観た後に「なるほど、1作目の展開はこういう理由があったのか!」と納得させられるかもしれないが今の段階では軸がブレまくったメッケージ性の弱い残念な作品になってしまっている。
さらに言えば佐藤信介監督作品は漫画原作から映画用のテーマを取り出して軸にするのが上手な監督だと思っていたので、本作ではかなりガッカリさせられたしもっと良い作品を作れる監督なのにと悔しさすら感じさせる。
原作との相違点やツッコミポイント
ここからは箇条書きで原作との相違点やツッコミポイントを書いていく。基本的に物語の展開順でネタバレ全開です。一応上に挙げた以外の褒めポイントも書いときます。
・アバンタイトルで母親の死を描く伏線は本作のテーマを提示してて映画として良い。
・オープニングクレジットは「ケイゾク」のを和風にした感じでニュース映像とかが挿入されて結構良い。
・原作同様冒頭で不良とケンカするが、そこで不良達に幽閉を見せない。でも多分これは原作のミス設定。後、幽霊が女から男に変わった。
・初登場の一護の後ろ姿は原作をそのまま実写化したように感じる程クオリティは高い。後、オレンジ髪型も異様な程似合っていた。
・原作ファンに向けて「髪の色/オレンジ」みたいなクレジットも出してくれる。ただ「特技!」の出し方だけ原作よりクドい。
・関係ないけどこのオープニングは実写版「ジョジョ」と同じ。
・その後不良に後ろから殴られそうになるが、急にチャドが現れて助けてくれる。どこから出てきた!?
・時間経過を表現するために早送りの映像が何度も挿入されるけど、後半は飽きたのか全く挿入されなくなる。
・妹2人は同じ髪型で似たような白い服を着た記号的な妹設定になっている。また原作と違ってどちらも幽霊は見えない。「双子かよ!」とツッコミたくなるくらいビジュアルが似ているが、身長に差があるから違うなと思ってパンフレットを読んだら本当に双子だった。この変更の意味ある?
・妻の大きな写真を父親が飾っているが、原作と比べて中途半端な大きさ。その上ギャグとして家族からツッコまれないから、原作を知らない人が観ると凄く変な感じしかしないと思う。
・一護の父親役の江口洋介が画面に映る時の支配力は流石。
・基本的に原作のコミカルなシーンはカットされているし、初期一護の蹴り芸もカット。
・ルキアが一護を守ってダメージを受けた描写が分かりにくい。これだと純粋にルキアが弱いみたいに感じる。
・一護が死神の力を貰ったところで主題歌がかかるのはカッコいい。パンフレットを読むと「君の名は。」みたいに完成前から話し合ってたらしい。こういう試みは好感度高い。
・学校で一護の家にトラックが突っ込んだ為死んだというギャグを友達が言って井上が驚くが一護は生きているというギャグが入る。
・夜中恋次にいきなり襲われるが、石田雨竜によって助けられる。あの格好で刀持ってたら職質間違いなしだ!でも一般人に見えてないからセーフだ。ただ石田の方はアウトだ。
・石田雨竜が原作同様餌で虚を呼び寄せ勝負しろと迫ってくるが、石田雨竜はその後何もしないし一護も倒さないで恋次と白哉がその虚を倒す。これじゃ何のために石田は虚を呼び寄せたか意味分からないよ!
・一護が恋次にボコボコにされて、白哉がルキアに一護を満月までに殺せと命じる。ただ死神は一般人に見えない設定だからルキアだけが外から見たら喋ってるみたいなはずだからかなりシュールだ。
・ボコボコにされた結果、学校で一護が死んだというギャグを友達が言って井上が驚くが一護は生きているというギャグが入る。2回目だが1回目より雑に流すのがナンセンス。こういうのは丁寧に重なるから面白いのに…
・一護の代わりに恋次が虚を倒す事で、一護が自分の家族以外の子供を守るために虚を倒すエピソードが無くなってしまった。
・またその子供も普通の人間から幽霊に変更。でもこれも原作のミス。
※本作では重要なハンバーガーショップ
・一護は石田が餌で虚を誘き出した事を怒らないしルキアにも石田の事を報告しない。また石田も特にその後何もアクションを起こさずハンバーガーショップにいる。
・ルキアが居なくなったので、一護は何の理由も説明もなく唐突にハンバーガーショップに走り出す。そして何故かハンバーガーショップに石田が居てソウルソサエティの場所を聞く。どうして一護は石田がハンバーガーショップに居ると分かったんだ!?
・白哉と恋次にグランドフィッシャーを自分が倒すからルキアを解放しろと条件を出す。
・墓場に現れたグランドフィッシャーが駅前ロータリーに移動して暴れるが、一般人からは竜巻にしか見えずパニックに。この描写は凄く良い。
※最初は能力開花と勘違いしたシーン
・井上とチャドがいるハンバーガーショップが破壊されて一護が突っ込むが、一般人には一護の姿も見えない。でも井上とチャドは一護を感じる。後チャドがメチャクチャ大きな看板の破片を素手でキャッチする。
・ただこの映画だと井上とチャドのエピソードはオールカットなので続編の伏線でしかない。 そしてこの伏線は興行的な理由で多分回収出来ない。
・偶々ハンバーガーショップに居た石田雨竜がグランドフィッシャー戦に参加。ハンバーガーショップに学校のメンバー多すぎ…
・死神や虚は一般人に見えないから外からはルキアに命じられた石田が弓を持って急に暴れ始めたように見えるだろうから凄くシュールなはず。
※殺陣は悪くないが…
・グランドフィッシャーを倒すと石田が恋次に後ろから刺されて、恋次と一護のバトルが始まる。ここの迫力は原作の一コマを実写化したようで結構楽しいが蛇足感がハンパない。しかもこのシーンではあんなに居た人が全く居なくなる。エキストラのギャラをケチったんだろうな…
※本作の一護は負けて終わる…
・恋次が倒すが白哉に首元を斬られて血が盛大に吹きます。ただ似たようなシーンが2回あるし、実際は首元に傷は出来てない。代わりに顔に傷が出来ている。分かりにくいよ!
・ルキアはソウルソサエティに帰り、一護は死神についての記憶を全て失う。原作ではクラスメイトは死神についての記憶を失うが一護だけは失ってない。
・死神についての記憶を失った事で、母親の仇であるグランドフィッシャーを倒した事とかも全部忘れている。
・本作は大コケで続編は作れないので一護の記憶は永遠に戻らない。
・学校で駅前ロータリーの竜巻に一護が巻き込まれて死んだと友達が言って井上が驚くが生きていたというギャグが展開する。この天丼ギャグが本作のオチ。しかも雑なやりとりだ。
・友達から成長を感じさせる言葉をかけられるが、取ってつけた感はハンパない。
・ルキアのナレーションで自分がソウルソサエティで死刑になる事が語られて何故か良い感じの雰囲気を漂わせてエンドクレジットに…
・続編を匂わせるようにオープニングクレジットの時には無かった「死神代行篇」とサブタイトルがドヤ顔で表示されて終わり。ちなみにこの展開はプロデューサーによると予定調和ではないエンディングは新たな発明らしい。何…だと… それは発明じゃなくて映画としてのカタルシスが無くなるから思いついても誰もやらなかった事なんだよ!
・「ジョジョ」や「ハガレン」だって続編ありきの映画だったけど一本の映画としても観客を満足させようとはしてたのに対して本作にはそれがない。こういう構成を1作目からやるなら「寄生獣」や「進撃の巨人」みたいに興行収入関係なく続編も公開する覚悟を決めてやった方が良い。じゃないと実写映画に対しての観客の信頼がどんどん無くなってしまう。
・主題歌は普通にカッコいい。
・エンドクレジット中にワーナー十八番の「本作の撮影で動物に危害加えてない」という文章が本作にもある。
・余りの続編ありきの1作目に「ふざけんなよ!」と心の中で叫んだが、後ろのおばさんは「えー!何これ?」と叫び出してビビった。また上映終了後の場内はカップルや夫婦・友人同士で顔を見合わせながら、何処か納得のいかないような殺伐とした空気が漂っていていた。
・ただエンドクレジット中に自分の目の前で明るさマックスのスマホ付けた奴はムカつくから今日の夜お腹が痛くなるとか明日の朝電車を乗り過ごすとか小さなバチが当たって欲しい。
原作からのカットシーン
※中々の再現度だが井上の胸はもっとデカい
ここからは恋次と白哉の登場のせいでカットされた原作の重要なエピソードを紹介!1つは上に書いた一護が家族以外の赤の他人を救うシーンです。だから本作の一護は結局自分と関係のある人しか救えてないし、最後にルキアを救えないから負け続けているイメージが強い。これは原作もそうだけど原作だと最後は確実に勝つからな…
- 井上織姫とお兄ちゃんのエピソード
一護が虚が元は人間だと知る大事なエピソード。また井上のキャラの掘り下げにもなっているがカットされたため本作の井上は一護に恋する普通のJK。まぁ、スタッフは一護とルキアのラブストーリーも考えたらしいが… もし久保帯人先生が原作のキャラを守る事を条件に出してなかったらどうなった事か… シリーズを通して「一護とルキアの友情」を描きたい事は理解できるが…
- チャドのエピソード
チャドのエピソードもオールカットでよく分からない脳筋キャラになった。
- 石田雨竜のエピソード
石田雨竜のエピソードもカットで訳分からないキャラに… クインシーの設定もお座なりだ!
(C)久保帯人/集英社 (C)2018 映画「BLEACH」製作委員会
最後に…
繰り返しになるけど、ここら辺のエピソードをまとめて最後にグランドフィッシャー戦で共闘みたいな映画オリジナルのバトルを描けば良い映画になったような気がして残念です。本作は母親の死のエピソードから始まり、一護が母親の因縁の敵を倒して物語の輪を綺麗に閉じた後に続編の為の15分の蛇足エピソードが付いたイメージです。それどころか1作目から続編の為のエピソードを散りばめすぎててとても1本で楽しめる映画ではありません。佐藤信介監督が「まずは1本で楽しめる作品に」とインタビューで答えていますが、どの口が言ってんだと問いただしたくなります。「いぬやしき」や「アイアムアヒーロー」など邦画としてはトップレベルのアクション映画を作ってきた監督だけに心底残念です。この作品がコケて続編が作られなかったら本当にただの未完成の中途半端な作品となってしまいますが、それも仕方ないように感じます。役者陣は好演してたと思います。本編鑑賞前に張り切ってパンフレットを買った事を少し後悔していて、これから映画鑑賞後にパンフレットを買う事を決めました。もちろんオススメはしませんが、グランドフィッシャー戦の迫力や前半の日常から非日常へ移る演出、上手くいってないが「母の謎の死」を物語の推進力にする着眼点など全てが悪い映画ではありません。興味のある人は続編ありきの構成だという事を理解した上で観に行く事がオススメです。
おまけ
コンはスクリーンデビュー出来なかったね!つまり実写版の一護の体はずっと魂が抜けたまま置き去りということになる。原作でも中盤以降影薄かったしぬいぐるみを動かすのも面倒くさいからカットしたのだろう。少し可哀想な存在。
蛇足
ワーナー配給だから「エヴァ」の特報すら流れない…
追記
「BLEACH」佐藤信介がファンタジア国際映画祭で受賞、現地の観客とQ&A行う(写真10枚) #映画ブリーチ https://t.co/m8OdcDX6J1 pic.twitter.com/BtpCVM3lT0
— 映画ナタリー (@eiga_natalie) 2018年7月24日
実写版「BLEACH」の日本古来の雰囲気を思わせる和風テイストのオープニングや原作からブラッシュアップされた虚のデザインが良いなと思ったが上の佐藤信介監督のインタビューを読むと、
日本伝統文化の能や祭りでは、お面を被ってこの世にはないものを演じる風習があります。なので、あえて顔や表情が変化しないものにしました
という狙いらしい。こういうアプローチは本当に上手いので佐藤信介監督の次回作品に期待します。
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