「BLEACH」の思い出と実写映画への期待と不安

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[注意]このエントリーは「BLEACH」の原作のネタバレに触れてます。

今回は累計発行部数1億2000万部を超える大ヒットコミックスの実写映画版「BLEACH」の観る前の不安と期待を語ります。

 

観る前の期待度

  • 「BLEACH」との出会い

BLEACH  1 (ジャンプ・コミックス)

「BLEACH」は2001年から2016年まで「週刊少年ジャンプ」で連載されていたマンガですが、自分はまさに直撃世代。とはいっても本作の熱狂的なファンでは無いのですが、高校受験を控えた中学3年の時に「BOOK OFF」で「NARUTO」と「BLEACH」どちらを集めるか悩んでいる友達に対して「BLEACH」を勧めたりした思い出が蘇って懐かしい気持ちになるくらいには思い入れがある作品です。ちなみにその当時既に「BLEACH」はかなりの巻数が出ていましたが、自分は「DEATH NOTE」12巻分をダシにその友達から借りて読んでました。まぁ、巻数で言えば自分のがお得ですが文字数で言えばドローです。多分。

BLEACH  1 (ジャンプ・コミックス)

BLEACH 1 (ジャンプ・コミックス)

 

 

  • 「ジャンプ」の看板だった「BLEACH」

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当時「BLEACH」といえば「ジャンプ」で「ONE PIECE」「NARUTO」と並んで3大看板マンガと評され合併号の連載作品のキャラクターが集合する号では常に大きな扱いを受けたました。

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また「ジャンプ」史上初のオールカラー掲載を行なったり、2週連続表紙を飾るなど「ジャンプ」の歴史を作ってきた作品の1つでした。さらに本作は登場キャラクターも絶大な人気を誇り自分の周りの女子もキャラクターの誕生日をメモ帳にまとめて自身がオタクである事を自慢している人までいました。

※「BLEACH」のオールカラーの回はコミックス19巻にもオールカラーで収録されている。本編の内容は一護が初めて卍解したエピソードでその回で卍解について、

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と語られているが後の展開では多くの死神が次々と卍解する。「ジャンプ」のバトル漫画にありがちなインフレ現象だ。ここら辺の勢いありきの展開が多い事から「ライブ感」とネット上で揶揄される事も多かった。

BLEACH 19 (ジャンプ・コミックス)

BLEACH 19 (ジャンプ・コミックス)

 

 

  • 人気が低迷していく「BLEACH」

BLEACH 49 (ジャンプコミックス)

しかし「死神代行消失編」開始あたりから人気の雲行きが怪しくなっていきます。まず「ジャンプ」の掲載順は基本的にアンケート結果に基づいた人気順に並んでいる為人気漫画は前の方に、人気の無い漫画は後ろの方に掲載される傾向があります。本作は常にトップ5圏内の掲載順を誇り表紙や巻頭カラーを任される事も多い大人気漫画でした。しかし掲載順は徐々に低下していきついには下から5番目以下に掲載される事も多くなっていきました。

またネットでは低迷をネタにコラ画像が多く作られてしまいます。そして絵と内容が結構リンクしてるのがまた辛い… その上このタイミングでテレビアニメの放送も終了してしまった事で「BLEACH」はオワコン(終わったコンテンツ)のような空気も流れ出してしまいます。

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さらに人気低下の影響は合併号の表紙にも現れます。今までルフィとナルトと肩を並べてた一護のポジションがトリコに取られてしまうのです。それでも他の漫画よりは少し大きく掲載されてるのがまた寂しくて… 一護の笑顔が何処と無く寂しそうにも見えます。

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それから一護は一度もルフィとナルトと肩を並べることは無く最後の方は他の中堅漫画と同じく隅の方に追いやられてしまいました。もちろん人気が全てで無い事は理解してます。しかし今年放送が終わった「めちゃイケ」と同じく一時代を築いた作品の低迷は本当に寂しかった…

 

  • 唐突な連載終了

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そして本作の連載終了は唐突に発表されます。なんといきなりカウントダウンが開始するのです。しかもそのカウトダウンの数字の部分は黒塗りで全く意味がない!「何の為のカウントダウンなんだ!?」とツッコんだ人は多かったと思います。そして更に驚いた事はそのカウトダウンと同時に物語を急に畳始めた事。今までラスボスの部下たちのバトルを何週にも渡って見せていたのに、急にラスボスがその部下たちの力を吸収してラスボス戦に突入するという急展開。あまりの構成力の無さに唐突に打ち切りが決まってしまったのかと心配になったが、原作者がゲスト出演したラジオを聴くと1年前に編集長に自ら連載終了を申し出たというから更にビックリ!なら部下のバトルよりラスボスとのバトルをもっと丁寧に見せて欲しかった…

しかも二刀流の修行とかした意味全然無かったし…

ただ「BLEACH」って「水で極限まで薄めたカルピス」なんて揶揄される事があるけど、ラスボス戦は結構アッサリ終わる事が多いイメージ。

それでも最終回は感慨深く読んだんですけどね…  と、思い出話は辞めて… と書いた後にかなり思い出話をしてしまったのですが本作の最終回が掲載される号で衝撃の発表がありました。

 

  • 「BLEACH」実写映画化決定!

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「マジか!?」と思いましたが、腐ってもかつて「ジャンプ」の看板漫画まで登り詰めた作品。配給はワーナー・ブラザースという事で多分「死神」「和服」「刀」という世界にウケそうな日本の要素が入った作品で尚且つシリーズ化しやすい映画を作りだんだろうなと思いました。当時はちょうどワーナーからは「無限の住人」「銀魂」「ジョジョ」「ハガレン」の実写映画が控えてた頃ですが、日常の中に突如現れた虚と戦う死神の話という原作の序盤に集中した作品を作れば上手くいくのではないか?またこの原作の「死神代行編」の題材は「現実世界をベースにした狭い空間での日常から非日常へと移り変わる」という佐藤信介監督が得意とする題材。このラインナップなら「無限の住人」の次くらいには期待出来るのではと踏んでいました。

撮影が始まってすぐに流出した撮影現場の風景も原作者が一番心配していた一護の髪の色が違和感なく再現されてて「悪くないじゃん!イケるじゃん!」と期待が膨らみました。

 

  • ルキアの髪型が…

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駄菓子菓子!間違えた… だが!しかし!ルキア役の杉咲花のビジュアルが発表された時はビックリですよ。「え?ちょっと待って?キムタク公認の「杉咲花スタイル」そのままでやるの?え?マジで?」と多くの人が戸惑った事間違いなしのビジュアル。まぁ、ここはポジティブにビジュアルを似せなくてもルキアを表現できるだけの自信が監督と杉咲花にあったと捉えようと思いながらもかなりキツイ… このビジュアルはインパクトがありすぎて杉咲花の髪型の流れをおさらいするエントリーを書いてしまったレベルです。

※下のエントリーでは杉咲花の過去作品の髪型やあの髪型の理由、キムタクや石橋さんからの髪型へのツッコミなどをまとめています。興味のある人は是非読んでください!

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  • リアリティラインが下がる死神達のコスプレ感

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その後他の出演キャラクターのビジュアルを公開。ここで3つの疑問が出てきました。1つ目は「え?コイツらをここまでコスプレ感満載で再現するならルキアももう少しガンバレよ…」と思った人が多いでしょう。そもそも杉咲花は撮影順として「BLEACH」の後に撮った「晴れのち花」では髪の毛バッサリ切って「SOFT BANK」のCMでネタにしているので本作でももう少しどうにか出来なかったのか… 2つ目は恋次と白哉が実写版1作目に出演する事。実写版「るろうに剣心」も1作目に斎藤一を出演させるなどある程度原作を実写版用にアレンジする事に対しては理解があるつもりですが、今回はフィクションラインを一気に下げるビジュアルなのでかなり不安に… 久保先生のインタビューでは死神のデザインは頭のネジを緩めてリアリティラインを下げたと語ってますしね… 実写にすると正直微妙… ただこれも動いているシーンをしばらく観てれば慣れて来るケースも多いので寛容な気持ちで受け取りたいと思います。3つ目は井上織姫とチャドのビジュアルより先に死神達のビジュアルが公開された事。

「まさか出演しないのか!?チャドの霊圧が実写映画からは消えた!?」と焦りましたが、後日発表して安心しました。とにかく本作には振り回さてばっかりですよ!

 

  • 予告編を観た後の不安

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ただ予告編を観た時少しコレじゃない感を感じたりして… 何でだろうと考えた結果「BLEACH」という作品は冗談抜きで魅力の半分以上は原作者・久保帯人先生のセンスで出来ているという事。「BLEACH」はカルピスで薄めたような作品と揶揄される事が多いと前述したが、それは久保先生の演出が週刊連載のボリュームで見るとコマ割りが大きく物語が余り進んだように思えない所から来ているように思える。しかし久保先生のインタビューを読むと漫画は「テレビとか映画と違って漫画は動かないし音も出ないが画面の大きさをコマごとに勝手に決める事が出来る。それが画面のサイズが初めから決まっているテレビとか映画との違いで面白さです。」(文章は意訳)と語っている。つまりテレビや映画と異なり画面サイズを大きくしたり小さくしたり好きなよう構成出来るのがマンガの利点だと語っているのだ。現に「BLEACH」のタイトルを出すまでの演出やアクションの見せ方のコマ割りはとにかく神がかっていてオシャレでスタイリッシュだ。その上バトルの見せ方も非常に上手く誰がどこに居て誰に攻撃してるかなど今起きている事が非常に分かりやすい構図が素晴らしい。これもインタビューで「特に考えず頭の中で1話分の映像を作り上げてカメラが切り替わるタイミングで1番印象的なカットをコマに描く。」と語っている上に下書きも書き直す事はほぼなく一発で描き上げてしまうという。つまりセンスの塊なのだ。このセンスを実写映画では再現出来ないのでないか?仮に出来なかった場合、どのようにその穴を埋め合わせていくのか?とにかく不安でしかない。

※「週刊少年ジャンプ」40周年記念の時に出た漫画家へのインタビュー本。久保帯人先生だけでなく人気ジャンプ作家の仕事場や仕事術が読める。

マンガ脳の鍛えかた 週刊少年ジャンプ40周年記念出版 (愛蔵版コミックス)

マンガ脳の鍛えかた 週刊少年ジャンプ40周年記念出版 (愛蔵版コミックス)

 

※久保帯人先生と「ネウロ」や「暗殺教室」松井優征先生の対談。久保先生の才能とセンスを感じさせる対談。計算型の松井先生との比較も面白い。興味のある人は読んで下さい。

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  • 実写映画製作陣の気持ち

ただやっぱり映画と漫画は別物と考えて制作スタッフが今回本作をどういう方向にアプローチしていきたいのかはこういう文章を書く上では事前に知っとくべきだと思うんですよ。で、インタビューを読むとまず1つに「るろ剣」のようなアクション映画のフランチャイズを目指しているそうで、既に続編の脚本の準備を進めているそうです。そして本作はその基礎となる作品を目指してるそうです。多分「ジョジョ」も「ハガレン」も「るろ剣」に続くフランチャイズプロジェクトの1つだったのでしょうがこの2作品は上手くいきませんでした… 「BLEACH」も不安ですね。ただ1作目をしっかり当てれば続編は更なる予算をかけて作れると見込むのは悪くないと思います。ただ続編の「ソウルソサエティ編」になると久保先生のセンスがさらに前面に押し出されていくのでより不安に… 

また佐藤信介監督は、

日常に死神や、大小さまざまな虚が出てきたり、日常と非日常が渾然一体となっています。昔からそういう作品をやりたくて、『BLEACH』には惹かれていました。アニメ的なテイストではなく、現実のなかで展開する画作りがやりたかった

と語っておりあくまでも実写映画としてのアプローチをとっていく方向だと語っています。繰り返しになりますが、1作目は現実世界をベースにしているため上手くいくかも知れないと少し期待はしてます。

またプロデューサーは、

ここ5年ほど、邦画の予算は増加傾向。CGなどの、費用をかけなければどうしようもない部分も向上してきている。この作品を打ち出すことで、邦画全体のサイズ(規模や予算)をさらに底上げする。

と景気のいい話も出てます。「ハガレン」の監督も似たような事言ってたけどね!

なので色々考えた結果取り敢えず原作の冒頭は読み直しはするが、あくまでも1作目は「BLEACH」の「死神代行編」の作風と佐藤信介監督の得意とする方向性が上手くマッチする事を信じて観に行こうとして思いました。

 

「観る前の期待度」だけで6000文字を超えたので「観た後のネタバレ感想」は下リンクに書きました!是非読んでください!

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おまけ

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久保帯人先生が漫画家志望に自身のコマ割テクニックを紹介している。コマ割りを駆使する事でシーンの弱や動や心理描写を表現したりしているなどとても面白い。マンガという媒体を最大限に利用している事が分かる。

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ちなみに「ジョジョの奇妙な冒険」の荒木飛呂彦先生は独特な擬音を使う事が特徴とされているが、アレはホラー映画の奇妙な音を漫画で表現出来ないかを追求した結果生まれたもの。なので昨年の実写版で擬音を文字で画面に表現せず映画という音が出る媒体の特徴を生かして勝負したのは好感が持てた。その反面擬音を文字として画面に出した方が話題になり興行的にウケたのではも思えるのでやはり実写映画は難しい。

 

おまけ2

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長澤まさみは凄く楽しみ!長澤まさみに関しては続編の過去編で活躍が見たいけど難しいだろうな… 「るろ剣」も結局巴編はやらなかったし…

 

おまけ3

現在進行中の作品だと思ってた「BLEACH」をこんな過去の視点で語る日が来るとは… 時代の流れに一抹の寂しさを覚えます。