「水曜日のシネマ」の紹介と個人的な「ニューシネマパラダイス」との因縁を紹介!

水曜日のシネマ(1) (モーニング KC)

[注意]このエントリーは「ニューシネマパラダイス」が好きな人は不快な気持ちなる可能性があります。

今回は「水曜日のシネマ」という作品の物語とオススメポイントを紹介しながら、個人的な「ニューシネマパラダイス」と因縁を紹介します。

野原多央

講談社「コミックDAYS」

 

映画を知らない主人公

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主人公はこの春大学生になったばかりの18歳でレンタルビデオ店でアルバイトをしている。

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その店の店長は42歳の独身。映画の知識が殆どなくお客さんに上手く対応出来ない主人公に対して「メジャー作品くらいは押さえておいてよ」と少し厳し目の指導を受けてしまう。

主人公は家でシャワーを浴びながらメチャクチャ悔しがります。大人の世界に入ると自分の子供っぽさを肌で感じて恥ずかしくなる時期。

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厳し目の指導をされて落ち込んだ翌日に店長と一緒に仕事をしていると、店長がお客さんに楽しそうに映画を紹介している。その笑顔を見ると主人公は何故ここまで店長が映画を楽しく語れるのか理由を知りたくなる。

思い切って店長に尋ねて見ると「映画は人生を豊かにしてくれる」という返答を得る。その返答を真の意味で理解したいと考えた主人公は店長に好きな映画を質問する。

  

個人的な因縁

ニュー・シネマ・パラダイス (字幕版)

ここで紹介されたのがあの名作「ニューシネマパラダイス」だ。「あの名作」なんて書いてみたけど自分は本作を未見。正確には途中で観るのをやめてしまった映画だ。何故観るのをやめてしまったかの言い訳を書くと、映画に興味を持ち始めた頃に「何か名作と呼ばれる映画が観たいぞ!」と張り切った自分はネットで調べたところ本作の名前を知った。

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と思ったが、当時「イオンシネマ」の再上映のお知らせのCMでこのガキの顔は何度も観た事があったので本作を観る前からこのガキには親しみを覚えていた作品だった。

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また映画に観始めたばかりで映画館という空間自体にもワクワク感を覚えていた自分には主人公が映画館に潜り込むという内容も魅力的に感じた。ただライムスター宇多丸さんが「自称映画好きでニューシネマパラダイスが好きという人とはどうやって相手を傷付けないように話を終わらせようか悩む」みたいな事を言ってたので「本作を好きになっちゃったらどうしよう!」と余計な心配もした。ただ冷静に考えれば宇多丸さんに会う機会はないし、その時同時に初めて会った自称映画好きに好きと言われたら困る踏み絵的な作品として挙げていたリュック・ベッソン監督が自分は好きだからどっちにしろOUTという事で心置きなく感動しようと近くのTSUTAYAにDVDを借りに行った。ちなみに本作は多くのバージョンがあるらしいが、近所のTSUTAYAには「完全版」しか置いてなく自分も「完全版の方が長いし良いに決まっている」と考え特に悩む事なくレジを通した。正直170分という上映時間を見た時は少し怖気付きそうになったが、「タイタニック」は194分でも飽きずに観れたし余裕だろうと高を括っていた。

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家に帰り早速デッキにDVDを入れ鑑賞し始めた。オープニングでイタリア映画らしい綺麗な海と心地良さそうな潮風によってカーテンがめくれ上がる描写がとても美しく感じ、まるで本当に潮風の匂いがするのではないかと錯覚させられた程だ。この窓際でレモン味のジェラートを食べたくなった。レモネードでも良い。多分真ん中にレモンが置いてあるからだろう。とにかくこの時は「素晴らしい映画に巡り会えた。」と確信していた。

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しかし当時の自分はマイケル・ベイ監督の「トランスフォーマー」シリーズにハマってた身で、とにかくマイケル・ベイ監督の爆発の多さこそ映画の醍醐味だと確信していた。もちろん今もその気はあるが、当時はそれこそ至高と信じて疑わずその手の作品以外を全く受け付けなかった。というのは冗談だが、当時の自分にとっては「ニューシネマパラダイス」は余りにも退屈だった。「だって、1時間経ってようやく映画館が火事になって燃えるんだよ?「トランスフォーマー」ならオープニングと同時に爆発するよ?」と不満タラタラだった。自分は映画館が火事になり燃えている姿を観ながら「これが後2時間も続くのか…」と考えるとそれは地獄のような苦痛な時間になるのではと感じた。そして自分はその直感を信じて本作のDVDをデッキから取り出して「つまんな。」と一言捨て台詞を吐きケースの中にDVDを戻しTSUTAYAにそのまま返却した。それ以降本作を見返した事は一度もない。ただ「この前は完全版が長すぎた。今度は劇場公開版の短いバージョンを見よう。」と心掛けテレビで放送していた時に録画してダビングしといたのでいつでも観れる状態ではある。

 

映画の楽しさを知る主人公

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そんな自分との勝手な因縁がある「ニューシネマパラダイス」だが、本作では当然名作として語られている。このコマを読むと映画館が火事になってからが本番だったようだ。もしかしたら自分は「天空の城ラピュタ」で飛行船の中でシータがムスカの頭をワイン瓶で殴った所で映画を観るのをやめてしまい、パズーが空から降ってくるシータを受け止める所すら観ずに作品を貶している級の愚か者だったのではないかと自分が不安になる。

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だって本作の中では「ニューシネマパラダイス」を鑑賞中の2人は仕事場にいるはずなのにまるで劇場で本当に鑑賞しているかのような雰囲気に演出されているから。これが映画の力なのか!?

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鑑賞後は思わず涙している2人。

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主人公は映画の楽しさを知る事でこれから毎週水曜日に仕事終わりに店長と一緒に映画を観る事を約束する。つまり彼女はこれから先「水曜日のダウンタウン」を見ることが出来なくなってしまったのだ!まぁ、録画すれば良いんだけどね! 

  

本作の見所まとめ

  • 映画鑑賞中の2人の演出

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映画鑑賞中の2人の演出は実に漫画的で見事な表現がなされている。例に挙げている画像は「バック・トゥ・ザ・フューチャー」を鑑賞中の2人だが、デロリアンが駆け抜ける様子を1ページ丸々使ってどデカイ擬音を駆使して表現している。

  • 映画を通した2人の関係性の変化

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この作品は映画鑑賞を2人で重ねるごとにその映画の内容に合わせて年齢の離れた2人の関係性に変化が現れていく。例えば上に挙げた「バック・トゥ・ザ・フューチャー」を観た後なら主人公は過去に戻って店長の若い頃の姿を見たいと考える。2人の関係性が今後どのようになっていくか注目だ。

この2つに注目して読めばさらに本作が面白くなるんじゃないかと思います。オススメです!

comic-days.com

 

[追記]

原作者の方にも読んでいただけたみたいで本当に嬉しいです。これからの展開も期待してます!

水曜日のシネマ(1) (モーニング KC)

水曜日のシネマ(1) (モーニング KC)