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「パシフィック・リム:アップライジング」は悪くはないが、前作の魅力を無くして水で薄めたような作品

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今回は「パシフィック・リム:アップライジング」について語ります。

 

観る前の期待度

パシフィック・リム(吹替版)

前作の「パシフィク・リム」は一部の熱狂的なファンに物凄く刺さる作品だった。個人的には「超大絶賛!」といった感じではなかったが普通に面白く観た。やっぱりロボットにはテンションは上がるし、重量感がある怪獣はとても魅力的に感じた。夜に体内や血が青く発光するのも良かった。

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前作で一番好きなシーンは、香港でイェーガーが雨の中水飛沫を飛ばしながら船を引きずるシーン。盛大な音楽と共にこちらに向かってくる水飛沫の描写は素晴らしく、香港の夜景も美しい。また巨大なはずの船がイェーガーとの対比によりミニチュアのように見えるのも愛おしい。「トランスフォーマー」の時も感じたが船をロボットと対比に見せるのはスケール感が出るのが魅力的に見せるのかもしれない。とにかくここからの一連のアクションがイチオシなのは間違いない。

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そんな楽しかった1作目の続編が公開されるとなれば、それなりに期待していたが製作前に入ってくる報道はその期待値のハードルをグイグイと下げるものばかりだった。それは前作の全米での興行的失敗の影響や監督降板などカルト的人気作品の続編がイマイチなる法則が次々と報道された。日本に先駆け封切られた全米での評価は「ロッテントマト」で批評家支持率:43%・観客支持率45%と振るわなかった。そしてその批評の大半は「前作の良さがなくなり普通の映画になった」という趣旨の内容でこの手のカルト的人気作品の続編にありがちなものだった。さらに興行面でも製作費1.50億ドルと前作の1.90億ドルから0.4億ドル抑えたにも関わらず、興行収入は0.59億ドルと大惨敗だった。

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全米の公開から3週間後、最早前作の面白さを下回る事は前提という空気感が漂う中日本では4月13日(金)に封切られた。実はこの翌週「金曜ロードshow!」で前作をタイアップ放送する予定だったが、高畑勲監督の追悼番組への変更で放送延期になる事が発表されるなど本作にとっては実に運の悪い日になった。それでも日本では全国605スクリーンで封切られ、週末2日間で興収2億7900万円と前作との対比で134.1%の好スタートを切りゴールデンウィーク興行を考えれば前作同様興行収入15億円以上が見込める見事なスタートとなった。しかしその後話題作品が続々封切られ上映回数は削られていき、当初15億円が視野に入るスタートを切った本作は最終興行10億円も厳しい結果に終わってしまった。

そんな批評的にも興行的にも惨敗な本作だが、日本では公開後「ハードルを下げればそこそこ面白い」という同情とも捉えられる擁護レビューが多く見られた。そんなわけで「あまり大きいものを期待しない方がいいのか… でも元々「トランスフォーマー」のが「パシフィク・リム」より好きだしロボットアニメよりなら意外と前作より楽しめるかも…」と少し期待感も持ちながら鑑賞しました。

 

観た後のネタバレ感想

評価:★★★(5段階評価)

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[注意]ここから下の文章は「パシフィク・リム:アップライジング」が好きな人は読まない方が良いです。

「面白かったけど… 物凄く物足りない…」というのが本作の第一印象。多くの人の感想と被ってしまいますが、心の底から純粋に楽しめたのは冒頭のアクション部分だけで前作の怪獣の重量感など前作の魅力はほとんど無くなり薄味のロボットアクションが続いた印象。

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でもスクラッパーがとても可愛く魅力的だった。なんかこのシーン凄い「トランスフォーマー」っぽいけど…

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高圧的な態度で踏まれたい中国人女性がラストでスクラッパーに乗り込んで補助するシーンも良かった。あのシーンの一気に追いつこうとする感じは「マリオカート」のキラーや「トイ・ストーリー」のロケット花火を連想した。そのまま富士山に落ちていくシーンも正に「カッコつけて落ちている」シーンだ。ちなみに中国人女性とアメリカ人男性が英語と中国語でやり取りするシーンがあったけど、中国人女性英語ペラペラなら英語で合わせてやれよと思ったり… 役者の演技の関係なのか中国への配慮なのか… それともああいう事って国際レベルならよくある事なの?

ゴジラ ('84)

富士山の展開は「ゴジラ(1984)」を思い出したり… アレは富士山にゴジラを落とす作戦で今回とは逆だけどね。ただ今回の富士山の真っ赤な火口描写や雪山描写はCG感満載だったけど、フレッシュな表現に感じられた。「あぁ、富士山って火山だったな…」みたいな感じで。

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クライマックスのバトルの舞台は新宿だが中国の雰囲気が強い印象。まぁ、近未来の新宿だから国際化が進んでると解釈したとしても、新宿から富士山が見えるのは地理的にあり得ない。この辺りはやはり日本映画だけあって「いぬやしき」の新宿描写は優れてたなとか思ったり… 正直一番上に貼ったポスター画像程の魅力は感じられませんでした。

www.junk-weed.site

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新宿での戦いでいきなり剣を出すだけのシーンでビルを破壊したシーンは「え?マジで!?」と驚かされたが、その後のビルを倒して怪獣の進行を止めようとするシーンは楽しかった。「シン・ゴジラ」でもやってたしね!

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前作はCGのアラを無くすためにも夜のアクションがメインだったが、今回は昼のアクションに挑戦している。ただ個人的には冒頭にも書いたが夜景をバックに雨の中で水飛沫を飛ばしながらのアクションシーンが凄く魅力的だったので本作の「トランスフォーマー」から脂っこさを無くしてさらに水で薄めたようなアクションシーンには心底ガッカリ。最早この昼間の明るい画面すら全体が薄く観える象徴にも思える。前作の振り子ギャグみたいな車の直前でパンチが止まって警報が鳴るギャグは悪くなかったけど… それも前作程の笑いには届かず… 最早笑いを取りたいが全面に出すぎて苦笑いに近かった…

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予告編でコイツのアクションにはギザギザの刃が敵怪獣の肉体をエグり大ダメージを与えるのかとかなり期待したにも関わらず、壊れやすいおもちゃの付属品のような弱々しい攻撃しかできず即退場。こちらにも心底ガッカリ… アクションシーンは楽しいちゃ楽しいんだけど、何故か真顔で鑑賞している自分がいるという「キングスマン2」と同じ状況に… 

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ただ本作で何よりもキツかったのは新キャラの魅力の薄さ。あのキャラクター達の描写にノる事が出来ず彼ら彼女らの戦闘によっての犠牲の悲しさは全く感じられず… その為か楽しいはずのアクションシーンも完全にはノりきれずに「なんか、どうでもいいよ!」といった気分になったりもして… 組織から少し浮いた男と年下のトラウマがある女の関係も前作と似てる上に前作よりこちらも薄味に… 中盤は大して魅力的でもない登場人物のやり取りを観せられる為、上映時間よりも随分長く感じてしまいました。繰り返しになるけど中国人の女性は魅力的で良かったよ!

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菊地凛子さん演じるマコの死は全く考えてなかったので本当に残念でした。ただ菊池さんの演技は前作同様とても良かったです。真剣佑はよく分かんなかったけど…

という訳で個人的には「色々思うところはあるけど基本的にアクションシーンはソコソコ楽しめたよ!」といった多くの人と同じ意見です。まだ観てない人は前作と同じレベルのものではなくその半分くらいの面白さでも良しとするくらいのハードルの低さで鑑賞する事がオススメです!ところで前作の主人公はどこに行った?

 

おまけ

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本作はエンドクレジット前に続編を匂わせるエピソードが付く。果たして「パシフィック・リム3」は製作されるのか?本作の製作費は冒頭にも記したように1.50億ドルだが、全米興行収入だけで製作費を回収出来なかった。全米での製作費回収率を数値化すると39.3%にあたる。

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これは前作の全米での製作費回収率53.2%を大幅に下回る。

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また世界興行も前作は中国の大ヒットがあり4.11億ドルと製作費回収率は216.3%となっているが、本作は世界興行2.90億ドルと製作費回収率は193.3%と200%を下回っている。この成績では続編製作はかなり厳しいと考えられる上、厳しい事を言えば前作の興行収入の結果からビジネス的には続編は作るべきではなかった。

そんな本作だが中国では1億ドルに迫る大ヒットを記録しており、前作からのダウンは少ない。「もしかしたら…」と考えてしまいがちだが、やはり厳しいだろう。まぁ、本作関連のオモチャがめちゃ×2売り上げたとかならフランチャイズとしての価値は残るが… 興行収入だけを見れば厳しいことには変わりない。