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テレビアニメ化も決まった話題作「約束のネバーランド」を紹介!

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約束のネバーランド 1 (ジャンプコミックス)

「この世界は残酷だ。」

数々の漫画賞を受賞し、今最も勢いのある漫画だと言っても過言ではない「週刊少年ジャンプ」で連載中の累計発行部数500万部を超える大ヒットコミックス「約束のネバーランド」のテレビアニメ化が決定した。冒頭に書いた「この世界は残酷だ。」という言葉は本作のテレビアニメのキャッチコピーであり、「進撃の巨人」の宣伝でも度々見かける言葉だ。

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本作の舞台は孤児院であり、親のいない子供達が集まる施設だ。この施設は一見居心地が良さそうに感じる。仲間には恵まれて、おいしいご飯やフカフカのベッドまで用意され母親のように親身になってくれるシスターもいる。里親となってくれる引取先が見つかるまでこの環境で生活出来るのは親がいない存在からすればこの施設は正にユートピアと言えるだろう。

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しかし個人の子供達の首筋には何故か認識番号が彫られている。

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そして外に出ることは固く禁じられている。普通ならば外の環境にも適応させるために定期的に課外活動がなくてはならない。しかしこの施設は異様な程外に出ることに対して厳しく禁じられており、この施設の子供達は施設の外には一歩も出たことがない。

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そしてこの施設では毎日学力テストが行われている。勉強は大切だし、将来の事を考えるならば勉強に力を入れることは正しい制度だろう。しかし毎日テストだけを施行するというのはこの施設の雰囲気からは違和感を感じる。つまりこの施設は我々現代社会を生きる人間が見れば違和感に溢れている。一見ユートピアに思えたこの施設は「認識番号が首筋に彫られている」「外に出る事を禁じる」「毎日テストを施行しランク付けする」など徹底的に管理された閉鎖的な空間でしかない。これは人間を育てるのに適した環境ではない。

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しかしこの施設に住む子供達は生まれた時からこの閉鎖的な空間でしか生きていないので、この異様な環境に違和感を覚えることなく「自分たちは幸せだ。」と信じきって生きている。

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閉鎖した空間で育ったという設定は「進撃の巨人」にも連なる設定だ。あの世界は高い壁に囲まれた街に住み外の世界に出ることはタブー扱いだ。

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しかしあくまでもタブー扱いされているだけで全く情報が無いわけではない。そのため主人公は自分のいる環境に疑問を持っている。しかし「約束のネバーランド」の主人公たちは自分のいる環境に疑問を持つという概念すらない。それだけ彼らは作られた偽りの幸せ(それでも彼らにとっては本当の幸せ)の中にいるという証明になる。これはもはやユートピアではなくディストピアであり、彼らは洗脳状態にあるといっても過言ではない。もはや宗教染みた施設だ。

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そしてこの施設にはもう1つ重要な決まりが存在する。それは12歳になるまでに里親が手配され施設を旅立っていくのだ。

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本作の主人公は11歳。施設の決まりである12歳までのカウントダウンは既に始まっている。

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そしてこの施設の最年長3人組は物凄く頭が良く毎日行われるテストでもトップ3を獲得する優秀な脳の持ち主だ。芸能界に例えると「さんま・タモリ・たけし」の「BIG3」といったところだろう。これ例えた意味全くないな…

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主人公は「私たちはこの施設で最年長だから次は私たち3人がこの施設を旅立つのかな… 寂しいな…」なんて感傷的になっている時に、ちょうど旅立ったばかりの女の子が大切にしていたぬいぐるみを忘れていたことに気づく。「届けてあげたいけど、外に出ることはルールに反するな…」なんて悩んでいると、

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「後で一緒に叱られよう」と同じく最年長の友達が提案する。正直こういう切れ者をアピールするドヤ顔がかなりの頻度で差し込まれるのが鼻に付くことあるが、あまり気にしない方が良い。でないと、とてもストレスが溜まる。

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そんないけ好かないガキたちはお友達にお人形を届けるために初めて施設のルールを破り、夜に外出する。

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そして彼らの日常が「オセロ」のように一気に反転するような衝撃の事実を知ることになる!個人的に良い漫画ってこういう比喩表現を如何に自然に挿入できるかが1つの鍵だと思っている。(今どうでも良いな…)

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それは人形を忘れた女の子の死体と、

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「巨人」ではなく、

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「食人鬼」だった…

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つまりあの施設は食人鬼に食べさせる為の人肉を育てる農園だったのだ!

つまり主人公たちが楽園だと考えた外の先に待っていたのはただただ残酷な死だったのだ…

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そして今まで信用していた母親代わりの存在であったシスターも食人鬼側の人材に過ぎなかった!

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ようやく主人公たちは自分たちが信じて疑わなかった施設が作り物の箱庭に過ぎないという事実に直面する。この施設の仕組みは全て品質の良い肉を育てる環境に過ぎなかったのだ…

しかしこの施設のシステムには1つ最大の疑問がある。それは毎日のテストだ。肉を育てるという目的だけを成し遂げたいなら子供達が知識をつけることは施設への反乱へ導く可能性がある。つまり育てる方からすれば下手に知識など付けずに頭が悪いままでいた方が育てやすい。

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では何故そのようなリスクまで背負って教育を施すのか?それは鬼が最も食したいのは頭が良く育ちきった「優秀な脳」だからだ。

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彼らに残された生き残るただ1つの道はこの施設が脱走することだ。しかし子供達には一人一人に発信機が埋め込まれており、シスターに全ての動きを把握されてしまっている。この物語は支配されていることに気付くこともなかった者たちがその支配に気付き支配者に立ち向かう物語なのだ!

 

ここから先は本作を全く読んだことがない人はネタバレになるから読まないで欲しいんだけど、この後は主人公たちは外の世界の情報を集めて、シスターの裏をかいて外の世界に脱出することに成功する。ここで「何故シスターはシスターになったのか?」が描かれるのが「信用してたシスターに裏切られた=悪」としてしまうのではなく「少年マンガ」らしい人間の多面性が描かれたことも良かった。ただ個人的には施設を脱出した後もこの面白さがキープ出来るのかが物凄く不安だった。

エニグマ コミック 全7巻完結セット (ジャンプコミックス)

例えば同じジャンプマンガなら過去には「エニグマ」という作品があってこの作品は第1部の学校からの脱出に成功して第2部に入ると人気は失速して打ち切りになってしまった。この例からこの手のマンガは初めのステージから次のステージに当たるとパワーダウンが目立つ傾向にある。しかし本作にはその心配は必要なかった。何故ならこの作品は原作者が「ジャンプ」にネームノートを持ち込んだ段階で300ページ分の構成があり、その後3年間かけて作品を編集と練ったことで完成した作品だったからだ。「週刊連載」というシステムはどうしても突貫工事的に作品を作っていかなければならない場面に直面する。それはただ単に準備不足というだけでなく、想像以上に人気を得ることができ連載を引き伸ばさなければならないケースがあるからだ。しかしこのマンガは当初の構想通りにしっかりとしたプロットの元連載が進んでいる為、物語の面白さが失速しない。それどころか主人公たちは初めこの施設を抜け出せさえすればあとは幸せが待っていると信じきっていた。しかし本当は外の世界こそさらなる地獄が待っていたことに気付く。これは世界が広がれば広がる程、辛く厳しい現実に直面するということのメタファーになっている。決して今の状況から抜け出せば全てがハッピーになれる訳ではないのだ。(この例の一番いい例えは「猿の惑星」の1作目で禁断の地に行った主人公は或る物をみて絶望する。あれも希望を求めて外に出て、打ち砕かれた作品なのだ!)

最後にこの作品は「少年ジャンプ」らしくないと語られることが多い。しかし「友情・努力・勝利」という「少年ジャンプ」らしさがしっかりと詰まった作品に感じる。オススメです!

 

おまけ

ここまでの人気作品だと実写映画化や連続ドラマ化のオファーが少なからずあると思うんだけど、仮に決まったらかなり不安。だって子役の演技って見てて辛いんだもん…

約束のネバーランド 1 (ジャンプコミックス)

約束のネバーランド 1 (ジャンプコミックス)