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「ラプラスの魔女」の「観客よ!これが映画だ!」とアピールするクライマックスの演説シーンは必見!

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今回は櫻井翔主演・三池崇史監督作品の「ラプラスの魔女」の感想について語ります。

 

観る前の期待度

ヤッターマン [レンタル落ち]

自分は2009年に公開された櫻井翔主演・三池崇史監督作品の「ヤッターマン」がオールタイムベスト級にお気に入りの作品だが、本作はいくら主演と監督が同じでもタツノコプロのアニメの実写映画版と東野圭吾原作のミステリー作品では作風が180度違う。その為「9年ぶりにコンビ復活!」と言われても「ヤッターマン」が面白かったから本作を鑑賞するという理由がキッカケや後押しになったとしても一番に持ってくる人は少ないのではないか?自分もそんな人間の1人だ。

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では何故本作を観ようと思ったのか?その理由は予告編で出てきた車が竜巻に巻き込まれて浮いている映像に心を掴まれたからだ。何故かは分からないし、静止画を観れば自分でも本当に何故このショットに心を掴まれたかは理解不能だ。

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しかも何故か紫を連想させるような本作の映像や神秘的なタイトルの出し方などどこか自分をソワソワさせる要因が多く予告編には含まれていた。また東野圭吾原作作品の実写映画化なら福山雅治主演・西谷弘監督の「容疑者Xの献身」「真夏の方程式」が面白かったし、彼の本は何冊か読んでるがどれも面白かったので本作もミステリー作品として一定量の面白さは確実に担保されていると踏み久々にこういうタイプの日本映画も観たいなと思ってたのと重なり観に行くことを決意した。

 

近年の三池崇史監督について

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本作の感想に入る前に近年の三池崇史監督について少し語りたいです。三池崇史監督は2016年のゴールデンウィーク興行で「テラフォーマーズ」、2017年のゴールデンウィーク興行で「無限の住人」、2018年のゴールデンウィーク興行で「ラプラスの魔女」を公開しているため日本映画界は3年連続三池崇史監督にゴールデンウィーク興行を任せていることになる。また2016年の冬休み興行に「土竜の唄」、2017年の夏休み興行に「ジョジョ」とシネコンが盛り上がる長期休暇のシーズンに次々と話題作品を公開している。それだけ日本映画界から頼りにされている監督だという証明になるが、近年の作品は興行的な失敗が目立っている。特に昨年は人気マンガの実写映画版である「無限の住人」と「ジョジョ」の2作品を公開したがどちらも大コケしたため三池崇史監督にとって厳しい年となった。個人的には作品自体はそんなに悪い作品ではないんだけど何かあと一歩足りない感じがしたのも事実。

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しかし三池崇史監督も「ジョジョ」のシリーズ化が流れたからなのか、こんな幼女向けの仕事もこなすなんて… さすが仕事を選ばないと豪語するだけあってプロに徹していてカッコいいなと思います。さすがにこの作品は見てませんけどね!ちなみに「ラプラスの魔女」はオープニング3日間で4.95億円稼ぎ最終興行15億円が狙える三池崇史監督作品としては久々のヒットスタートとなっている。

 

観た後のネタバレ感想

評価:★★★★(5段階評価)

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本作は三池崇史監督作品としては久々のヒット作だが「Yahoo!レビュー」は2.3/5.0とあまり振るっていない。また映画ブログなど色々な人の感想を読んでもあまり褒めている意見は目にしない。「もしかして地雷か?」と不安or期待で胸が一杯になったが酷評の大半は思っていたのと違うというものがあるらしい。同じく東野圭吾原作で大ヒットした「ガリレオ」シリーズのような不可解な現象を科学的(本作では化学)に解明する本格ミステリーだと思っていた人にとっては本作のストーリーは求めていたものと違ったらしい。そのギャップから酷評が相次いでいるようだ。

ラプラスの魔女 (角川文庫)

ちなみに本作は東野圭吾作家デビュー30周年記念作品で、作者が「これまでの私の小説をぶっ壊してみたかった。そしたらこんな作品ができました。」とコメントするなどファンの間では異色作とされている作品。なるほど、だから本作を本格ミステリーだと勘違いした人からしたらそのギャップに耐えられなかったのだろう。

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物語は硫化水素によって死亡した映画プロデューサーが発見されるところから始まる。地球化学の大学教授である主人公は警察から「硫化水素を使った殺人の可能性」を問われ「ありえません。」と断言する。

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しかしその後すぐに同じ温泉地の離れた場所で硫化水素が原因の死体が発見される。しかし地形的に故意に硫化水素を使って殺人を犯すことは不可能と主人公は考える。

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そんな主人公の前に自身を「ラプラスの魔女」と名乗る少女が現れる。

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「ラプラスの魔女」とは19世紀の数学者ピエール=シモン・ラプラスが提唱した計算によって未来を予言できる知性のことを指す。つまり彼女は未来を予知できる能力を持つという。

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そして彼女は主人公の前でドライアイス(?)の流れを予知してみせ、硫化水素でも同じことが出来ることを示唆する。

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その後主人公は開明大学の研究所に連れていかれある手術の結果、未来を予知できる人間が作り出せたという説明を受ける。ちなみにこの研究所は白がメインのデザインで全面ガラス張りで、色々な場所にビデオカメラが設置されていて意識高そうな植物が配置されていて正に「自分の考える東野圭吾作品に出てくる研究所」が再現されていたことに驚いたのと同時に、何だかあまりにもフィクショナルな世界観で観ていて少し恥ずかしくなった。「もしかして東野圭吾作品って実写化に向いてない?」なんて不安も出てきた。正直ここまでの前半の流れは可もなく不可もなくといった感じで別段面白い映画だという気はしなかった。

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本作が真価を発揮するのは櫻井翔と広瀬すずが研究所から逃げ出す後半のパートからである。ちなみにここで櫻井翔は公安に「未成年拉致容疑(?)」だかで逮捕されそうになるんだけど少しタイムリーでドキッとした。

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本作のクライマックスの舞台は洋館だ。昨年公開された「ジョジョ」のクライマックスも洋館だったがその建物と雰囲気は酷似している。その洋館で一際目立つ赤い服に包まれた豊川悦二が大演説を繰り広げるのだが、そのシーンは全て観客にカメラを意識させるかのようなズームやカメラのブレを意図的に取り込んだ演出を施している。豊川悦二は役所としては100年に一度の天才映画監督で彼は自分の家族を失敗作として硫化水素で一家惨殺を目論んだ人間だ。その悲劇をリアリティ溢れる映画にしたかったからだ。しかし奇跡的に1人だけ生き残ってしまう。ただ豊川悦二はそれすらも映画に取り入れようとして「より良い映画になっていく!」と劇中で叫ぶ。つまり豊川悦二の演説シーンを「これは映画ですよ!」ということをアピールする演出を施すことでメタ的視点を入れたギャグ(ツッコミ)になっているということだ。とても三池崇史監督作品らしいシーンでこのシーンが本作で1番のお気に入りだ。映画館で映画を観ていることを意識させられること程幸せなことはない。余談だが本作は「トリック」や「SPEC」の堤幸彦監督も自分の手で実写映画化したいとインタビューで語っていた。トリッキーな演出手段を好む堤幸彦監督だけあって本作を実写化したかった理由が理解出来た気がした。

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その為クライマックスでVFXをふんだんに使った気候変動からの洋館撃破シーンの後にビデオ映像が途切れるようになる演出も「撮影していたカメラが竜巻に巻き込まれて壊れた!」という三池流悪ふざけ演出の1つなのだろう。それと同時に豊川悦二の想像していた最高の映画は強制的に物語の幕を閉じたということも意味している。ここら辺を読み取れずこの一連のカメラワークのシーンを撮影ミスだとか無意味な演出だとかdisる感想が多くて非常に残念だ。(謎の上から目線)

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三池演出といえば佐藤江梨子さん演じる映画プロデューサーの妻役の人も杖の先端で豊川悦二にボコボコに殴られ思いっきり叩きつけられ足で踏まれていたが最後の方のシーンでは普通に歩いたりしててダメージの無さに驚いた。普通に死んでたとしてもおかしくない殴られ方をしてたけど三池作品にはよくある現象だ。まぁ、三池監督のインタビューを読むと本作はいつもと違い不完全さは通用しないと考えて演出したらしいがそれでこれならこれが三池監督の素なんだろう…

というわけで個人的には結構楽しめた「ラプラスの魔女」でしたが、確かに「金田一少年の事件簿」の「オペラ座館殺人事件」の犯人が本当にオペラ座の怪人だったら肩透かしを食らうので気持ちは分かるし、現に自分も「劇場版名探偵コナン 異次元の狙撃手」の予告で「一体この距離でどうやって射殺を!?」と言ってたのに「犯人は凄腕スナイパーだった!」というオチを知った時は腹が立ったし本作が思ってたのと違って酷評する人の気持ちも分からなくはない。

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また本作の主人公を演じた櫻井翔は狂言回しに徹している受け身の役の為、劇中では殆ど活躍しない。その為櫻井ファンの中には少し物足りないと感じる人もいるのではないかとも予測される。ただ櫻井くん本人のインタビューを読むと「他の人たちが印象的になるようなストーリーテラー的な役割を出来るようになって自分も大人になったのだな」と語っている。個人的には、竜巻が起こるシーンではヤッターマン張りのジャンプするシーンはコミカルで面白かった。まぁ、熱心なファンはインタビューとかしっかり読み込んでるだろうし純粋に櫻井くんの演技を楽しんだと思うけどね!

そんなわけで正直前半部分では「この映画厳しいか?」と不安になりながらもラストの映画だということを強調する演出で完全に心を掴まれました!個人的には面白かったし、作品全体の雰囲気も好きなのでオススメです!

 

おまけ

❶雪男櫻井翔

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雪が降っててはいけないシーンの撮影のため雪が止むまで櫻井翔はロケバスで待機をしていた。その後雪が止んだため撮影場所に櫻井翔が向かうと雪が再び降り始めてしまった。仕方なくロケバスに戻って櫻井は待機をした後、もう一度雪が止んだため撮影場所に向かうとまた雪が降り出してしまった。その時は何故かスタッフの間には「櫻井のせいで雪が降っている」という空気が充満して櫻井は撮影場所で雪が止むまで待機することになった。

❷広瀬’s ブートキャンプ

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撮影の合間は広瀬すずの提案によりスクワットやダッシュなどの本格的なトレーニングを櫻井翔はしていたという。そのため撮影が始まる前に汗だくになってしまっているため三池崇史監督は困ったという。ちなみに福士蒼汰は一瞬参加したが広瀬すずの指導が厳しすぎたため早々にリタイアした。

❸カットがかからなかった櫻井翔

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本作では櫻井翔が研究室で悩むシーンがあるがあれは三池崇史監督の指示で固定されたカメラに向かって櫻井が自由に演じたシーン。ただ5分以上カットがかからず櫻井は自身の引き出しを全て開けて演技したという。

❹ラブストーリーに興味を示す三池崇史監督

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本編ではカットされたシーンだが、広瀬すずと福士蒼汰が雨が降ってくることを予測して同時に傘をさすシーンを撮影したという。

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そのシーンを撮影した際に三池崇史監督は、「俺 キラキラもいけるな!」とラブストーリーにも興味を示したという。まぁ、幼女向けの番組も演出してるし本当になんでもオファーが来ればやるのだろう。

❺三池崇史監督に初対面でガンを飛ばした役者

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三池崇史監督によると初対面で自分にガンを飛ばしてきたのは広瀬すずと木村拓哉だけだったという。どちらも自分に好かれようとせず媚びてこない所が共通点としてもし2人が同じ現場にいたら自分は怖いから帰ると語っていた。

 

「ヤッターマン」の魅力については下のリンクでまとめています!是非読んで下さい!