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実写版「いぬやしき」の新宿上空250メートルのアクションは必見![木梨憲武×佐藤健×佐藤信介監督作品]

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2018年4月20日(金)はスティーブン・スピルバーグ監督最新作であるハリウッドのVFX大作「レディ・プレイヤー1」の公開日で多くの映画ファンはそっちの作品に大盛り上がりですが、実は日本のVFX大作「いぬやしき」の封切り日でもあります。今回はそんな「いぬやしき」の感想を語ります。

 

観る前の期待度

いぬやしき コミック 全10巻 セット

「GANTZ」の奥浩哉による人気コミックで、テレビアニメ化もされた「いぬやしき」を、木梨憲武&佐藤健主演、「GANTZ」につづき奥作品の実写化を手がける佐藤信介のメガホンで映画化した作品。「GANTZ」は全37巻の長編ですが、「いぬやしき」は全10巻で犬屋敷壱郎と獅子神皓との対決に物語を集中させておりコンパクトにまとまっている作品だ。自分はこの作品の獅子神皓がただのサイコパスで終わらせなかった展開が凄く好きでこの作品はかなり好きなマンガだが、本作はかなりコマ割りから大きく作画3DCGで手がけていることと舞台が現実の日本なので実写映画化したらかなり映えるのではないかと期待していた。

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そして予告編を観ると主演の木梨憲武さんや悪役の佐藤健さん以外にも二階堂ふみ・本庄奏多・伊勢谷友介など豪華キャストを揃えているにも関わらず、そこを一切押さずに新宿の空中アクションをメインに見せる予告編だったことから製作陣の自信を感じて期待度はかなり上がっていた。

 

観た後のネタバレ感想

評価:★★★★★(5段階)

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本作のアクションは日本映画としてはかなりのレベル!

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本作は家族から嫌われ仕事出来ずガンで余命も僅かの木梨憲武と28歳(撮影時)で男子高校生役を演じた佐藤健がある日夜の公園で謎の光に包まれ後爆発にあい目が覚めると機械人間に変えられてしまっていたと物語。

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この機械のシーンのCGは「ターミネーター:新起動/ジェニシス」で若い頃のシュワちゃんの顔を蘇られた「デジタルヒューマン」という技術の進化系で、木梨さんと佐藤健はライスステージという人間のデータを360度採取できる機材を使って全身をスキャンして撮影されたという。この始めて木梨さんの顔が割れるシーンは劇場は笑い声が上がるなど結構受けていたし、CGも特別違和感もなく中々のクオリティだった。

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クライマックスで獅子神皓が新宿を破壊するシーンの緊迫感は見事な演出。「シン・ゴジラ」の時も思ったがやはり日本の新宿という馴染みのある場所が破壊されていると胸に来るものがある。ただ佐藤信介監督の判断で「tohoシネマズ新宿」の入っているビルの上にあるゴジラのオブジェを無くしたらしいがそこはしっかりと再現して欲しかった。何ならオブジェ破壊シーンが観たかった。東宝配給作品だから難しのだろうけど…

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本作最大の売りである新宿上空250メートルの空中バトルは中々の見応え。もちろんハリウッド作品である「スパイダーマン」(製作スタッフ的には日本版「アイアンマン」だったらしいが…)の空中アクション級とまでは言えないし、新宿を再現したCGのクオリティは正直物足りない部分もあった。特に画像のようなビルを大きく写すアクションシーンの背景のCGはかなり物足りない。その反面自分が知っている新宿という場所でアクションが繰り広げられる為、そこまでCGのマイナスは気にならない。その上「アメイジング・スパイダーマン」のような飛んでいる人視点の映像などCGを頑張ったことは物凄く伝わって来るし見ていて気持ちよかった。

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本作の空中アクションはワイヤーアクションを使っているけど、ワイヤーに吊られている感や背景との合成に違和感はほとんどなく日本映画のCGレベルのレベルも着実に上がっているんだなと嬉しくなった。また日本のVFX大作映画(「ガッチャマン」や「鋼の錬金術師」など)にありがちなオープニングのアクションで力を使いきって一番印象に強く残るクライマックスのアクションがほとんどアクションをせずに退屈な感情的なセリフの掛け合いだけで終わってしまう作品も少なくはない。しかし本作は冒頭は主人公の残念な日常を丁寧に描き、その後に非日常に巻き込まれるという佐藤信介監督の十八番のスタイルを使っているため一番の盛り上がりである新宿のアクションシーンをただの「日本のVFXだってここまで表現できるんだよ!」という見せびらかしに近いシーンではなくしっかりと意味を持ったアクションとして描かれていることも好意的な印象を持った。

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クライマックスの盛り上げ方が上手いということは映画全体の構成力が良いということだ。人気マンガの実写映画となると映画の尺でマンガのエピソードを全て描くことは出来ないので原作からの取捨選択と取り出した要素の構成力が問われることになる。この点佐藤信介監督は上手だと感じる。本作では原作より娘とのエピソードを大幅に強化したことでクライマックスに娘を救うために戦う父親という構図が上手く映えている。やはり人気マンガの実写映画化にあたって最も大事なのは原作のリスペクトを最大限にしながら捨てるべきところは捨て映画としてしっかりとした一本の軸を作らことが大事なのだろう。

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ちなみに娘役の三吉彩花さんは過去に木梨さんとCMで親子役として共演している。昔は仲よく食事してたのにね…(作品を分けて考えれない人の文章)

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役者の話に入ると主演の木梨さんのダメ親父の演技は凄く良かったです。お寿司の上にキャビアを乗せて一人で食べるシーンなんかは情けなさすぎて悲しくなりました。そんな情けない姿から一変娘を守るために戦う姿は本当にカッコ良かったです。そして最後の食卓での味噌汁のすすり方も凄く味があった。今回木梨さんが本作の主演に抜擢された理由は本作の製作幹事であるフジテレビの「世にも奇妙な物語」での「思い出を売る男」での演技が評価されたかららしいですが、あの作品でもダメ親父と言われながらも最後は家族愛を見せるエピソードだったのでとても納得しました。

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ちなみに木梨さんは現場で焼き鳥やステーキを焼いて振舞って現場を盛り上げたらしいのでその気さくさに心底憧れます。(ただ佐藤健は肉体作りの食事制限の為鶏肉しか食べれなかったそうですが…)

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木梨さんは先日フジテレビで30年以上続いた「とんねるずのみなさんのおかげでした」の放送が終わってしまいましたが、まだまだ活躍してくれそうで嬉しいです。

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そして本作の役者の演技で一番驚いたのは二階堂ふみだ。本作では渡辺しおんという獅子神皓に恋をする内気な女子高生を演じているが、バラエティなどで見せるイケイケなオーラをしっかりと隠して演じている。今回宣伝でそこまでフォーカスを当てられていないからエンドクレジットまで気づかない人多いんじゃないのかな?もし自分も知らなかったら気付かなかったかも… というか知ってたのに「この人、本当に二階堂ふみなの!?」と驚き続けた。原作と違って死んでしまったのが残念。続編は狙ってないのかな?また獅子神皓に人を殺してしまった分、人を救って償ってと頼みそれを獅子神皓が実行するシーンが無かったのも残念だった。

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演技と言えば獅子神皓のお母さん役の斉藤由貴さんの演技も先日三谷幸喜脚本の「黒井戸殺し」に引き続きとても良かったです。スキャンダルで一時期大変だったかもしれませんがこれからも活躍していって欲しいですね。

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「いぬやしき」でもしかしたら一番有名かもしれない宮根さんらしいキャスター役の生瀬勝久さんも良い味出してました。今回はコメディタッチの演技を封印してシリアスに徹して演じてた分死ぬ瞬間の口元の演技はややオーバーにも感じましたがアレぐらいが丁度いいバランスなのかもしれません。また自分が本作で一番死を実感したのはこの生瀬勝久が射殺されるシーンなんですけど何だか1人の人生が一瞬で奪われるシーンとしてはかなりリアリティを感じました。ちなみに死という意味では自分もあの現場にいたら状況のヤバさを把握せずにスマホをイジって即エンドの可能性が高いので少し怖くなりました。

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獅子神皓さんを演じた佐藤健さんの演技は最早言うまでもなく素晴らしかったですね。彼のインタビューを読むと撮影当時28歳だったことから高校卒業後10年も経って制服着ることを自虐しながらも獅子神皓が犯すことは若さ故の部分もあるから年齢設定を大学生に引き上げることは出来ないと語っているのを読んでしっかりと考えている俳優さんなんだなと改めて実感しました。やっぱり最近の作品は安易に年齢設定を変えた挙句その年齢に合わせて性格を変えてどんどん迷走していく作品も多いのでしっかりと原作のキャラクターを再現したのもよかったです。やはり彼は高校生が故の純粋さがあるからこそ魅力的な悪役になっていると思ってましたからね。また佐藤健自身彼を100%理解しなくても良いと考えて演じたことで彼が人を殺すことへの明確なロジックがないあやふやな怖さが表現できていて良かったと思います。そして獅子神皓の怖さは少し佐藤健本人が持つ怖さとも重なるようにも感じました。ただやはり原作を端折ってる分物足りなさも感じたり… 人気マンガの実写映画でのキャラクター描写は難しい…

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最後に原作にある獅子神皓が幼い子供を殺すとてつもなくインパクトのあるシーンが映画には無かったのはやはりレーティングやフジテレビが製作幹部だからという問題なのかなと思い少しガッカリしました。ただフジテレビが幹部をやってくれなければここまでのCGを作る予算やキャストを集めれなかったと(特に木梨さんを主演に置くのはフジテレビが幹部でなければ難しかっただろう)考えると今回ここまでのクオリティまで持ってかれたことの方にフォーカスを当てたいと考えました。原作が完結しない時に映画の製作が始まっていたのでラストの展開は原作と違いますが出来ればあの「アルマゲドン」なラストの方も観たかったです。ただ最後に獅子神皓をしっかり描いてくれたのは嬉しかったです。あのシーンで少し救われました。ただ最近はエンドクレジットに入ってから割とすぐにエピソードが導入されますがアレはやはり観客が帰る前にという配慮なのかな?とにかく他にも主題歌「Take Me Under」がカッコ良かったなど、まだまだ言いたいことはいっぱいありますがとても面白い映画でした。日本でこんなエンタメした映画を作れたのも本作に関わったスタッフ・キャスト一同みなさんのおかげで

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おまけ

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原作では不登校だった子の家に「GANTZ」のポスターが貼ってあるから、本作には実写版「GANTZ」のポスターが貼ってあるかなと期待したが貼ってなくて残念だった。まぁ、日本テレビの映画だし主演が二宮和也だから肖像権とか色々難しかったのだろう。

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今回「いぬやしき」がフジテレビ制作の映画でこの手のアクション系の人気マンガを実写映画化するなんて珍しいなと少し驚いていたんだけど「いぬやしき」が集英社のマンガではなく講談社のマンガだったことの方が驚いた。作中で「GANTZ」を自虐してたからてっきり同じ「ヤングジャンプ 」の連載だと思い込んでいた。ちなみに獅子神皓はこの後ネットの掲示板の奴らを皆殺しにします。

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また本作のラストで木梨さんが娘を助けるために都庁から上半身全裸でダイブするんだけど佐藤健は「亜人」で素っ裸でビルからダイブしてたので佐藤健の勝ちだ。(何がだ?)ただ佐藤健は「亜人」では折角食事制限をして体を作ってもこの全裸ダイブ以外のシーンで裸を見せるシーンが無かったが本作ではシッカリと上半身の裸を長時間見せつけている為、本作では体の作り甲斐があったことは間違いないだろう。

最後に本作のエンドクレジットを観てると製作がフジテレビ・東宝・講談社の3社で構成されていて驚いた。このレベルの日本映画の予算を3社だけで賄ったのはさすが日本を代表する大企業だ。