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「GANTZ」「いぬやしき」「アイアムアヒーロー」「BLEACH」の佐藤信介監督作品の特徴を語る

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日本映画のヒットメーカーといえば山崎貴監督や三池崇史監督、堤幸彦監督などがあげられますが、今回紹介するのは上にあげた監督に匹敵するほどのキャリアの持ち主である佐藤信介監督についてです。

 

CGの使い方が上手い監督

GANTZ [Blu-ray]

彼の代表作はやはり二宮和也が主演を務めた2011年公開の「GANTZ」だと思います。本作は奥浩哉の人気SFコミックを日本テレビが総製作費40億円をかけて2部作で実写映画化した作品で当時は今よりもはるかに日本映画でのSFは難しく人気マンガの実写映画も少ない時代でした。佐藤監督は2000年の初頭からリアルな東京でのSFアクションエンターテインメントを作りたいと考えていました。しかし現実問題それをオリジナルでやるのは難しい。そんな時に企画が来たのが「GANTZ」だったといいます。佐藤監督は本作をリアルで生々しい作品にしたいと考えましたが、周囲の人は本作のことを「映像化は無理だ。」という声が多かったといいます。ただ佐藤監督にはゲームのオープニングムービーなど多くのCGムービーを作った経験という大きな勝算がありました。この経験とCGムービーを一緒に制作したクリエーターとアクションチームがいれば本作も絶対映像化できると確信したのです。

ホッタラケの島〜遥と魔法の鏡〜

ちなみに佐藤監督の「GANTZ」の1つ前の監督作品は「ホッタラケの島 遥と魔法の鏡」という3DCGアニメで、ここからもCG技術に強いことが伺えます。

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その為「いぬやしき」や「BLEACH」などのCGを使った作品を多く手がけています。

 

物語は日常から非日常へ

佐藤監督のCGの使い方が上手い以外の特徴を考えるとそれは現在日本が舞台で日常から非日常に移り変わる作品が多いこととある限定的な空間でのアクションシーンにこだわるところだと思います。

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「GANTZ」なら就活に苦戦している大学生である普通の日常を送る主人公が、ある日偶然駅で幼馴染と遭遇してホームから降りてしまった酔っ払いを助けたことによって自分が電車に轢かれてしまい謎の黒い球体のある部屋に送られ異星人との死闘しなければいけない非日常的な環境に置かれる物語です。

映画チラシ『いぬやしき』10枚セット

これは最新作の「いぬやしき」も同じで普通の中年サラリーマンである主人公の日常が、ある日突然で機械の人間になってしまいは日常な変わる物語ですし、

アイアムアヒーロー

一昨年公開されて話題になった「アイアムアヒーロー」も同じで、35歳の漫画家アシスタントがゾンビに襲われるという日常から非日常へと移り変わっていく物語です。

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これは「GANTZ」「いぬやしき」の原作者もツイートしていたことですが、日本映画である以上主人公は日本人で舞台も日本のが成功率は高いと思います。そして佐藤監督のフィルモグラフィを見ると、

デスノート Light up the NEW world

「デスノート Light up the NEW world」のようなデスノート事件が起きた後の世界にしろ、

図書館戦争 THE LAST MISSION スタンダードエディション [DVD]

「図書館戦争」のような国家によるメディアの検閲が正当化された日本にしろどの作品も基本的に現実の日本をベースにした作品が並んでいます。佐藤監督のインタビューを読むとこれは自主製作映画の時代から「日常の中に変なものや変な話題、変な出来事が起こって、ある違和感の中で、人がそれに巻き込まれていくという話を好んで作っていた。」と語っています。つまり佐藤監督の作品は自主製作映画の時代から撮りたいものが一貫して変わっていないことが伺えます。

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これは次回作の「BLEACH」までも共通します。

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そしてこの好みによって日本映画でありがちな日本人が外国人を外国で演じて「…」となってしまう作品を避けれるため彼の作品の成功率が比較的高い理由の一つに思えます。

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またここがどんな設定の作品でも引き受けてしまう三池崇史監督との決定的な違いのようにも思えます。

 

限定的な空間でのアクション

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もう一つの方の特徴である一定の空間でのアクションは、例えば「GANTZ」なら博物館という空間の中で千手観音と戦うシーンが強く印象に残っている人も多いと思います。

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このシーンに限らず「GANTZ」の戦闘シーンは駐車場・地下鉄・商店街などかなり限定的な空間でアクションを繰り広げます。

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これは最新作の「いぬやしき」も新宿という限定的な空間でのみアクションを繰り広げています。

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「アイアムアヒーロー」もショッピングモールやトンネルという限定的な空間でアクションを行なっています。

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バトルのようなアクションに限らず「デスノートLNW」や「万能鑑定士Q」など佐藤監督作品の見せ場のほとんどは限定的な空間で見せています。

ただ例えば「いぬやしき」のアクションシーンなんかは新宿に限定せずに空中バトルシーンなんですから東京タワーなどを映しながら東京全域での戦いにしても良い気がします。しかしこれは佐藤監督によると「縛りや密閉感を出すことで、緊張が増して濃密になる。」という狙いがあるそうです。またあえて限定した空間で物語を展開しておけば、最後に大きなモノや広い空間を観せた時に突然世界が広がっていくというコントラストをうまく演出できるという狙いもあるようです。実はこれも自主映画の時からシナリオの段階で“ある一日の話”を縛りにしたりと拘りがある部分のようです。

 

最後に…

佐藤監督のフィルモグラフィのタイトルだけを並べると一見拘りなく職人監督に徹しているように思えます。しかし作品を実際に観てみると共通項が浮かび上がってきます。きっとこれが佐藤監督の作家性というものなのでしょう。最新作「いぬやしき」は4月20日(金)、次回作「BLEACH」は7月20日(金)に全国公開です!