2017年に公開された人気マンガの実写映画をホンネで語る

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2017年に公開された人気マンガの実写映画は興行的な失敗作が続いた印象だ。

公開中はキャスト・スタッフのインタビューを読み作品の意図を読み取り出来るだけ汲み取るような感想を述べてしまう。

そこで今回は昨年公開された人気マンガの実写映画の感想をホンネで語りたい。

 

無限の住人

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公開中は木村拓哉が本作の撮影中に起きてしまったSMAP解散への同情から不死身のため死ねない万次とアイドルとして死ねない木村拓哉を重ね合わせて評価する方向で感想を書いた本作だがホンネを言えばやはり30巻の原作を140分に収めたせいでダイジェスト感がハンパなくキャラクターの行動も唐突に見えるシーンが何個もあった。

また主人公が不死身の為、短時間の中で何度も死にそうになっては生き返るを続けるので展開がワンパターンにも感じた。

主人公がどうすれば死に、どうすれば生きられるのかもアヤフヤな状態で進み物語のスケール感も小さく感じさせられた。

見せ場のアクションシーンも「るろうに剣心」と比べると雑でカメラワークが下手なのか爽快感があまりなかった。さらにグロシーンも中途半端で腕や手が切断されるだけでワンパターンしかなく飽きてくる。原作のようにもっと色々なパターンを見せて欲しい反面PG12だとアレが限界なのだろう。しかし繰り返して観るうちにアクションのパターンが焼きついてクセになっていきアクションだけは何度も繰り返し観たい作品にもなった。

そして何よりキムタクがカッコ良かった。ラスト主題歌のイントロと共に目が広くシーンは鳥肌モノだ。

 

銀魂

銀魂

深夜ドラマのノリを映画に持ってきた作品。

この福田雄一監督の挑戦は作風に差はあれど、堤幸彦監督が深夜ドラマのノリをゴールデンのテレビドラマ、そして映画に持ってきたことを思い起こさせる。

豪華なキャストを揃え、内輪のノリを連発し観客と一体感を出すまさにお祭り興行。大ヒットしたのも頷ける。

ただしアクションシーンは酷かった。韓国のアクションチームを取り入れたそうだがカット割りやスローモーション・ナレーションの入れ方などボラギノールのCMのような編集方はチープとしかいいようがない。これが狙ってやっているギャグなら面白かったかもしれないが真剣に熱くなるシーンとして撮っているので目も当てられない。原作もアニメもアクションシーンに定評があるが実写版はアクションが大きくマイナスとなってしまっている為改善を求めたい。もしそれが難しいならもっとギャグ寄りの題材を選んだ方が面白い作品が出来るのではないかと感じた。

 

東京喰種 トーキョーグール

東京喰種 トーキョーグール

原作を忠実に再現しているが、CGや美術の安っぽさを感じられずにはいられなかった一作。

ただアクションシーンが見やすかったのや夜景を魅力的に空撮したこと、グロシーンを逃げなかったこと、マイノリティに対してしっかりと描いたことなど好感度が高い部分は多い。その反面作品全体の評価は小さくまとまってしまっているので本作への印象はかなり薄い。

主演の窪田くんが「実写版は原作に勝てない」と語っていたが、だからといって原作の再現だけされても観客側は物足りない。原作にトータルでは勝てなくても実写映画にしたからこその何かを1つは作って欲しい。

 

ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章

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アニメでは再現された擬音やジョジョ立ちをあえて再現せず、あくまでとコミックの再現ではなく実写映画として撮ろうとしたことは対しての意気込みを感じた作品。

魅力的な音楽やスペインロケを駆使することでミステリアスで奇妙な雰囲気を醸し出しながらサスペンスとしての完成度を追求したようにも感じた。役者の演技もスタンドのアクションも迫力があり見応えがある。

その反面マジメに作りすぎてしまい小綺麗にまとまってしまった印象も受けた。どこか小手先で作ってるような窮屈な感じもしてしまいもっとハジけても良かったのではないかと感じる。

「銀魂」と「ジョジョ」の興行収入を見ると皮肉にもコミックの実写版は映画としての完成度を求めるよりコミックの再現に軸を置いた方が評判が良い傾向にあることを証明してしまった一本でもある。

 

亜人

亜人

出来る事と出来ない事をハッキリとさせ原作のアクションという部分に軸を置きいらない部分は全て削ぎ落として映画にするアプローチを取った作品。確かにアクションは派手で楽しいのだが「無限の住人」同様単調で後半は次第に飽きてくる。そして音楽の使い方もイマイチだ。もっとあのメインテーマを前面に出して欲しかった。本広克行監督は音楽で観客のボルテージをあげるのが上手い監督だと思っていたのにガッカリだ。また人が話しているだけのシーンはかなり退屈に感じた。

そしていくらなんでも原作の説明を削ぎ落としだ。特にIBMの説明はほとんどないに等しく原作を読んでいない人には理解できていないのではないかもこちらが不安になってくる。それでもガンアクションやVFXアクションなど日本映画という限られた予算の中で挑戦している心意気は伝わってきたし、本広克行監督の1つの画面を分割する演出はコミックの実写映画との相性の良さを感じた。

ただラストで佐藤健が全裸で全力疾走して階段を上がりビルの窓を突き破りキメ顔で落ちていくショットは急にCGが雑になるのと余りの勢いについ笑ってしまった。

 

鋼の錬金術師

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海外のビッグバジェットのファンタジー映画を日本でやろうとしてしまった作品。予算の差だけではなく日本人が外国人を演じるという絶望的な差を埋めることが出来なかった。

しかしそれでもオープニングからのVFXをバンバン使ったアクションシーンは見応えがあったし、日本人キャストの点も物語が進むにつれて慣れていった。ただ問題はそのアクションがオープニング以降出てこないことだ。終盤の物語は映画用のオリジナル展開なのだからもう少し主人公エドの錬金術のシーンを盛り込むことも出来たのではないか?もうひと暴れオープニングを越すVFXアクションを見せてくれれば満足度もだいぶに違ったように感じる。

またいくらVFXのレベルをあげても物語の進行や役者の見せ方のヒドさはカバーできないと痛感した。特に山田涼介が大泉洋を殴るシーンや國村隼が殺されるシーンのテンポの悪さ、終盤のオリジナル展開はお約束シーンが2連続続くなど鈍重な展開などには思わず呆れてしまった。

それでも絶望視されたビジュアル面や世界観をあそこまで持ってきたことは素直に凄いとも感じた。

 

DESTINY 鎌倉ものがたり

【映画パンフレット】DESTINY 鎌倉ものがたり 

原作のバラバラのエピソードを1つにまとめあげ、クライマックスはオリジナル展開を用意するという知名度の低い原作だからこそ出来た作品。

前半の日常パートは夫婦の掛け合いを見ていて楽しいものの原作が1話完結のため朝ドラのように毎朝15分とかならいいのだろうが、映画として連続で見せられるとやや退屈してくる。

また後半の黄泉の国のシーンは日本映画の中ではトップレベルのVFXでファンタジー世界を表現しているためテンションは上がるが、その世界を堪能できる時間は映画の1/4しかない。しかもクリーチャーの動きなど少し単調なシーンも見られたうえ、主人公が想像で創り出したもので戦うという魅力的な設定に山崎貴監督の創造とVFXが追いついていない感じがした。正直な話、日本映画のVFXの限界を見せられたしまった気分だ。

やはり完全なオリジナルの世界観を映画で作り出すのにはまだまだ時間がかかりそうだ。

それでも本作の夫婦の和やかや雰囲気は観てて楽しかったし、黄泉の国のビジュアルもとても魅力的で日本でしか出来ないファンタジー映画に仕上がっていたように思える。宇多田ヒカルの主題歌もとても魅力的で本作の内容としっかりマッチしている。

 

と物凄い上から目線で語ってしまいました…

どの作品も魅力がある反面どうしても物足りない印象もあったイメージです。日本の大作映画が好きなのでもっと頑張って欲しいとおもいます。これからも応援しています。