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実写版「鋼の錬金術師」の曽利文彦監督のインタビューから感じた疑念[一本の映画として完成させたいのか続編を作りたいのか?]

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試写会が行われすでにファンに間では酷評が相次ぐ実写版「鋼の錬金術師」だが、今回は曽利文彦監督のインタビューから感じた疑念を語りたい。

 

感じた疑念

自分が今回曽利文彦監督のインタビューを読んで1つ感心したのはこのポイントだった。

「全27巻の原作を3部作などにして全部つめこもう!という考えはなく、キチンとストーリーテリングし、一本の映画として成立させたかった。」

これは実写化発表時からコメントしていたことで堤幸彦監督の「20世紀少年」3部作やピータージャクソン監督の「ロードオブザリング」3部作、「ハリーポッター 」シリーズなどのように膨大な原作を忠実にまとめ上げる方式を取らない選択をしたと解釈できる。

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この方式は理解できる。

つまり原作の軸となる部分だけを抽出して、ただのダイジェストにならないように原作から逸れすぎないオリジナル展開などを交えながら、原作の肝からはブレずに一本の映画として成立させるスタイルをとるということだ。

ならば本作はエドとアルが錬金術で失った体を取り戻す冒険に焦点を当てて、2人が体を取り戻すまでをまとめた一本で完結する映画に仕上がるのかと推測した。

インタビューで監督は泣く泣く好きなキャラクターを削って物語をブラッシュアップさせたと語っている。

これは山崎貴監督の「寄生獣」を思い出す。

寄生獣」でも新一とミギーの物語に焦点を集中させることで全10巻の作品を4時間でダイジェスト感なくまとめあげていた。

また金子修介監督の「デスノート」でも月とLの対決に集中することで原作と異なるオリジナルのエンディングを迎えても原作ファンからのバッシングは少なく未だに実写映画化の成功例として名が上がる作品となっている。

この2本はどちらも原作を忠実に再現するだけでなく捨てるところは勇気を持って捨て、原作ファンも納得して、映画としての単体で観ても楽しめる作品になった。

今回もこの路線で一本の映画として楽しめる作品を作るなら期待ができると感じた。

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ただしこの方法の最大のデメリットはただのダイジェストになってしまうことだ。

先程例に出した作品はどちらも始めから2部作を前提にした作品だ。

それに対してハガレンはたった一本にまとめると流石に尺が足りないのは明白だ。

下手に一本にまとめようとすると同じ曽利文彦監督の「あしたのジョー」のような意味不明なダイジェスト映画になってしまう可能性がある。 

 

ここでインタビューに戻ろう。

曽利文彦監督は本作のストーリーに対して、「原作の序盤を軸にして2時間の映画で作ることを前提に脚本を書き始めました。」と語った。

実写映画で原作の序盤を軸にするのはよくある手法だ。

この夏公開した「東京喰種」は原作の3巻までを忠実に再現した作品だった。

これは続編を視野に入れた作品だ。

しかし曽利文彦監督は3部作のようにして物語を全て詰め込むつもりはないとインタビューで語っていたので序盤をベースに最後とどう繋がるのか?に注目すべき作品なのか?と考えた。

確かに大根仁監督の「バクマン。」のように全20巻の原作の序盤をベースに原作と全く違う展開を見せながらも原作の漫画家としてのこれからの創作意欲の軸は変えずに同じ意味の結末を迎え一本の映画として完結させ大好評だった作品例もある。

つまり結末が違えど原作の軸さえブレなければ意外とほとんどの原作ファンは受け入れてくれるのである。

ただし「バクマン。」はそれだけでなくCG表現などを駆使して漫画執筆シーンを再現することで実写映画にした価値をもたらした。

これにより原作とは明らかに性格を変えられたキャラやそもそも存在を消されたキャラもいたことに対する不満を圧倒的なワンポイントの魅力で捩じ伏せた。

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今回ハガレンは邦画史上最高峰のVFX表現を売りにした作品だ。

ここで圧倒的な錬金術のバトルシーンを見せつけることさえでき原作のエッセンスを失わずに一本の映画として完成させれば多少原作と違ってもかなりの作品が生まれるのでは!?と期待しようと思っていた。

 

しかし曽利文彦監督のインタビューを読み進めると興行収入次第では続編があると語っている。

これにはすごくガッカリした。

別に続編ありきの企画をディスりたいわけではない。

尺を確保して原作を忠実に再現するやり方も1つのアプローチだと考えている。

原作ファンからしたらやはり原作を忠実に再現してくれた方が嬉しいし、再現されるシーンが多いなら多いほどうれしいものだ。

それで映画としても面白ければ文句無しだ。

またヒットしたら続編を作りましょうという考えも否定していない。

現に大友啓史監督の「るろうに剣心」は一作目の企画段階で京都編の実写化を前提にしており、見事一作目が大ヒットしたことで次を作ることができた。

また叩かれがちだったサブタイトルに第一章とナンバリングした実写版「ジョジョ」も、初めから続編を視野に入れたことで一作目から念入りに伏線を入れることができた。

おそらく公開されないだろうが、もし2作目や3作目があったら1作目のあそこに伏線が!などと話題になる作りをしていだはずだし、現にそういうシーンは多く観られた。

 

このインタビューを読んで自分が疑念を感じたのはこの続編も出来るという話からだ。

本作の監督からした置き所が分からないのだ。

自分は映画をまだ未見だからどういうラストかは知らない。

エドとアルが人間に戻れたのか、それともオレたちの冒険はまだ続くスタイルかはわからない。

しかし3部作のような形は毛頭考えてない監督が、何故ヒットしたら続編などという発言ができるのだろうか?

ここから本作は中途半端に続編を意識したオリジナル展開の連続で原作ファンも原作未読のファンも誰も得しない駄作なのでは?という疑念がフツフツと湧く。

コケてしまった「ジョジョ」だってコンセプトはハッキリしていた。

また監督のインタビューからはVFXを見どころにしたいのかしたくないのかすら伝わってきませんでした。

散々ハリウッドの尻尾がつかめたとか今回は今までと違う見せるCGだ!などCGの凄さを熱く語るわりに技術に関して見どころにする必要は全くないと思います。などと語ったりもしている。

素直にCGを日本映画にしては頑張ったので見どころにしてください!でいいのに謎のプライドも感じたりする。

ここは同じ冬に「DESTINY 鎌倉ものがたり」を公開する山崎貴監督などとの器の違いも見えたりもした。

ハガレンの実写版は一体何処に向かおうとしてるのだろうか?

ものすごく不安だ。

 

読んだインタビューはコレです。

曽利監督に聞く、『鋼の錬金術師』実写化を実現した最新技術と俳優・山田涼介の魅力 (otoCoto) - Yahoo!ニュース

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