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「シン・ゴジラ」と「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN」を比較![樋口真嗣監督作品]

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今回は2016年に公開された「シン・ゴジラ」と2015年に公開された「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN 」を比較していきたいと思います!

 

この2作を比較する理由

それはこの2作の共通項にある。

東宝が夏に製作・配給した

・巨大生物がメインの特撮映画

樋口真嗣監督を筆頭にスタッフがほぼ同じ

長谷川博己石原さとみ等キャストも被る

石原さとみの奇抜なキャラクター

VFXを白組が担当

IMAX・4DX・MX4D・D-BOXでも上映

・大ヒット作品をベースとしている

など挙げればきりがないほど共通項の多い作品だ。

しかし実際公開されると2作品は興行・世評共に真逆の評価を受けた。

 

本作の相違点のような共通項

まず1つめはゴジラは映画シリーズだが、進撃は漫画原作であることは相違点に感じるだろう。

またゴジラは旬の過ぎたシリーズだと認知されていたのに対して進撃は人気絶頂の中の公開なのもハードルに差が出るように思える。

しかし人気漫画の実写化は非難の的になるため観客の公開前のハードルは変わらない。

2つめはゴジラゴジラという存在を中心に映画オリジナルのストーリーを描けるが、漫画実写化である進撃は原作があるためそれはできない。

しかし進撃は原作者諫山創により原作と全く違う映画にしてほしいという要望があった。

そのため進撃も巨人という存在を中心にオリジナルストーリーを描ける立場にあった。

そのため進撃のが原作からの改変で原作ファンには叩かれやすいが原作を知らない観客からすればほぼ同じ立場にある。

 

では本当の相違点は?

本作の相違点を箇条書きすると、

ゴジラは現実世界、進撃は架空の世界が舞台

ゴジラ東宝単独、進撃は製作委員会

ゴジラ庵野脚本、進撃は町山脚本

ゴジラ庵野演出、進撃は樋口演出

ゴジラはフルCG、進撃は特撮とCGの融合

ゴジラは一部作、進撃は二部作

と2作品の明暗を分けた6個の相違点が挙げられる。

ではこの6個の相違点を1つずつ解説していく。


ゴジラは現実世界、進撃は架空の世界が舞台

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ゴジラは現在の日本に巨大不明生物が現れた話であり、進撃は壁に囲まれた特殊な環境に巨人が現れる設定だ。

つまり、ゴジラはみんなが知っている世界をそのまま画面に映せば世界観は成り立つが、進撃はこの特殊な世界観を表現しなくてはいけない。


ゴジラ東宝単独、進撃は製作委員会

ゴジラ東宝一社が単独で資金を用意して制作した作品で、進撃は製作委員会という多くの企業が資金を出し合い清作した映画だ。

製作委員会の特徴はコケた時のリスクを分散できることである。

その反面で多くの企業が出す意見や注文、要望を答えなくてはいけないデメリットもある。

この違いがのちに大きな作品の質に関わってくる。


ゴジラ庵野脚本、進撃は町山脚本

ゴジラ庵野秀明総監督が脚本を書き下ろしたのに対して進撃は映画評論家の町山智浩が脚本を書き下ろした。

ゴジラの脚本は東宝単独のため要望は東宝一社からしかこず、樋口監督の協力もあり庵野監督の脚本は守られた。

しかし進撃は製作委員会の要望を取り入れ何度もやり直した。


ゴジラ庵野演出、進撃は樋口演

ゴジラは現場で庵野監督が自身の脚本を自ら演出し、カメラワークからセリフのスピードまで細かくスタイリッシュに演出した。

進撃は町山脚本を樋口監督が演出した。

現場のノリで脚本にないシーンを付け足したり、とにかく人間に叫ばせる熱い演出を施した。


ゴジラはフルCG、進撃は特撮とCGの融合

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ゴジラアニマトロニクスを製造したが、庵野監督の判断で映画では使用せず、モーションキャプチャを使いフルCGでゴジラを描いた。

一方、進撃の大型巨人はアニマトロニクスブルーバックを使い特撮とCGの融合させた。

また、通常の巨人は特殊メイクを施した生身の人間が演じた。

 

ゴジラは一部作、進撃は二部作

ゴジラは一本の映画として完成してるの対して、進撃は二部作になっている。

しかし、進撃も当初は一本の映画として制作していたが予算の関係で二部作に撮影直前に変更された。これにより一本の映画用の脚本を二分割した。

 

この6個の相違点から2作品の明暗は分かれたと考えられる。

進撃は架空の舞台と巨人を表現するために軍艦島での撮影や特撮技術を駆使して高い壁に立ち向かった。

この2つは観客を一定量満足させることは出来ていたかもしれない。

しかし脚本と演出で大きな差が出た。

 

樋口監督の製作委員会やスタッフ・キャストへのサービス精神はすごいものなのだろう。

全ての期待に応えるため全力を尽くしたのだろう。

しかしその全てに応えるにあたって映画の完成度はどんどん下がっていってしまい、残念ながら多くの観客には満足できない作品に仕上がってしまった。

 

それに対して庵野監督は作品の質のために出来る事と出来ない事をしっかりと確認して、スタッフに嫌われてでも自分を貫きこだわり通した。

だからこそ「シン・ゴジラ」という傑作ができた。

 

2作品のポスターを見比べて欲しい。

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ゴジラはポスター全体に本映画の象徴だけが描かれている。

それに対して進撃は巨人はポスター全体の1/3しか描かれておらず、キャストの役者を出来るだけ多く描くことに重点を置いている。

樋口監督はインタビューで原作の魅力をキャラクターではなく巨人描写だと語っていた。

このポスターの時点で樋口監督と製作委員会が目指した方向性に違いがあったのは明らかだ。

 

最後に「シン・ゴジラ」が庵野秀明総監督のこだわりを通せたのは樋口真嗣監督のフォローのおかげだ。

東宝に脚本に家族愛や恋人の設定を追加しろといわれ悩んでいた庵野監督に初めの脚本で貫くように説得したのは樋口監督だ。

現場で庵野監督とスタッフの間にできた溝を埋める努力をしたのも樋口監督だ。

庵野監督が1人で監督してたら東宝の容共に折れたかもしれない。

現場でスタッフにストライキされ最後まで撮影ができなかったかもしれない。

もしかすると樋口監督も進撃での失敗を自覚していて、庵野監督に同じ思いをして欲しくない。そんな気持ちが強かったのかもしれない。

樋口監督無くしては「シン・ゴジラ」の完成はあり得なかったのだ。

 

樋口監督は特撮監督に専念しろという人は多い。

しかし個人的な気持ちからは、樋口監督の単独監督作品で大成功を収めて欲しいというのが本音だ。

また製作委員会という形式も日本映画の中で大きな予算を集めるための大切なシステムであることも大前提だ。

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